「FIFA ワールドカップ カタール 2022」グループE・第2節コスタリカ戦に敗れて1勝1敗。日本代表は次節スペイン戦で引き分けても条件次第ではグループリーグ敗退という厳しい状況に追い込まれた。歓喜のドイツ戦から一転、敗戦による批判の矢面に立つキャプテン吉田麻也は、「選手だけじゃなくてスタッフもファンも日本のみなさん一丸となって戦いたい」と訴える。目標であるワールドカップベスト8という“新しい景色”、そしてその先の日本サッカー界の未来を吉田はしっかりと見据えていた。

【映像】「日本のみなさん一丸となって戦いたい」と語るキャプテン吉田麻也

-日本のキャプテンとして、ここまでの2試合を振り返ると。

 すごく良いスタートを切れましたし士気も上がっている中で、勝ち点をこぼしてしまったという2試合目があって。ワールドカップは改めて非常に難しいなと思っています。緊張感もいつもとはまったく違うものですし、独特の雰囲気のなかでどう勝っていくかを毎日考えています。今は、みんなが日本のために戦うという強い思いで毎日練習に励んでいますね。楽なグループではないのはわかっていたので、簡単にいかないとは思ってますが、ここからスペイン戦に向けて良い準備をして、グループリーグ突破を決めたいなと思います。

-良い意味でも悪い意味でも日本代表に注目が集まっている。今の状況をどう思うか。

 ここ最近は地上波でサッカーをみることができなくて、サッカーを身近に感じる機会が少なかったと思う。だから、このワールドカップという大会を戦うことによって、色んな層のサッカーファンに楽しんでもらいたいし注目してもらいたいです。W杯は間違いなく未来の日本のサッカーの発展につながると思っているので、注目されることについては非常に嬉しいですし楽しいと思っています。

-次のスペイン戦は、日本サッカー界にとって大事な試合になる。

 予選突破できるかどうかということは、日本サッカーのためにものすごく大きなことだし、将来を左右することにもなりかねない。ただ、まだ何もなしとげていないし、2試合目に負けたからと言って何か失ったわけでもない。もともと3試合で突破を決めなければいけない状態だったので、やるべきことも気持ちの面も変わることはなく、プラン通りに引き続きやるだけかと思います。

-対スペインの勝機はどんなところだと思うか。

 いかにディフェンスをするかだと思います。ボールを保持されるのは間違いないので、その中で良い守備から良い攻撃に転じることができるか。あと、可能であれば後半スペースが開いてきたなかで 自分たちがボールを持つ時間を長くしなければいけないなと思っています。ドイツ戦は、後半に自分たちがボールを持つ時間を長くすることによってペースをつかむことができたし、得点のチャンスをうかがうこともできた。同時に、相手が前がかりになったところでカウンターを仕掛けることもできたので、そういうことを徹底してやっていかなくてはいけないなと思いました。

-ディフェンスが重要な試合ということは、守備にプレッシャーがのしかかってくることになる。プレッシャーは力になるか。

 プレッシャーは、今回に限らず毎試合のしかかっています。それはポジションだけではなく、自分の役割的にも。A代表は日本サッカーの未来を左右する立場にあるので、毎試合大きなプレッシャーがのしかかってくるのは間違いないです。この試合も、同じようにのしかかってきていますが、ワールドカップでどうやったら勝てるか、どうやって戦わなければいけないかは4年間ずっと考えてきたので、やるべきことは変わらないですね。

-試合中にシステムの変更がある。コミュニケーションが重要になってくるが、チームのコミュニケーションは活発だと思うか。

 すごく活発です。コーチングスタッフの柔軟性も◎。ヨーロッパではここまでの柔軟性はみられないと思います。日本人の良さでもありますが、大事なのは中でコミュニケーションをとる前にしっかりと事前の準備をしておくこと。大きな大会になればなるほど、プレッシャーや緊張から何かを変えるということがすごく難しくなるので、しっかり事前に話し合って、オプションを1でも2でも多く持っておくことが大事だと思います。ただ、そこは、ドイツ戦でもコスタリカ戦に向けてもやっていたことなので、やれるんじゃないかなと思います。

-中3日というタイトなスケジュールで対策しなければいけないが、仕上がり具合は。

 ベースの部分は、大会前に作っているので、あとはプラスアルファをどう加えていくかですね。相手がドイツなのかコスタリカなのかスペインなのかによって変わってくる部分なので、ある程度のベースから微調整をするという考え方ですね。今までやっていたことから、大きく、まったく真逆のことをやるというのはまずないと思います。

-現地に足を運んでいるサポーター、配信を観ているサポーターに対して。

 1試合目の後半は、日本人だけじゃなく、スタジアムにいるローカルのファンの皆さんも日本を盛り上げてくれたおかげで最後に大きなことを成し遂げることができました。日本にいるサポーターについては、日本とカタールという物理的な距離はあるけれど、色んなものを見聞きしているなかで、日本が盛り上がってくれていることを知って心から嬉しいですし、その応援をパワーに変えて戦いたいなと思っています。僕は、大会が始まる前から、対戦相手がすごく強いので、選手だけじゃなくてスタッフもファンも日本のみなさん一丸となって戦いたいと思っていました。スペイン戦は、朝早い試合になりますが、引き続きみんなで勝ってグループリーグ突破を決めたいなと思います。

-現地にきているサポーターが、試合後のごみ拾いなどで話題になっている。チームジャパンとして一緒に戦っていると感じられるか。

 自分たちが勝つ以外の、プラスアルファのところで国際的な評価を高めるというのは国際大会ならではのことだと思います。そこで、日本の考え方や文化が評価されるのは非常に嬉しいです。試合が終わった後に、ゴミ拾いするサポーターの皆さんが気持ちよくやってもらえるようにするためには、やっぱり僕たちが勝たなければいけないと思いますね。僕たちにとって、ファン・サポーターの皆さんに喜んでもらい楽しんでもらうというのが一番大事なので、そのためにも結果を出さなければいけないなと思います。

(『ABEMANEWS』より)