決定機は少ないが、中盤で目まぐるしくボールが動くハイレベルな戦いに
MATCH 28 グループE 第2節
2022年11月27日22:00キックオフ(会場:アル・バイト・スタジアム)
スペイン 1-1 ドイツ
この試合の前に行われた日本VSコスタリカの一戦で日本が敗れ、混沌としてきたグループE。ドイツがスペインに勝てば勝ち点3で4チームが並ぶことになり、ドイツとしては日本の敗戦でモチベーションが高くなったはずだ。
ドイツ代表監督ハンジ・フリックは、PKの1点しか奪えなかった第1節の日本戦からスタメンを変更。最前線はカイ・ハフェルツに代わってベテランのトーマス・ミュラーを配置し、イルカイ・ギュンドアンを一列前のトップ下へ。ボランチはバイエルンのジョシュア・キミッヒ&レオン・ゴレツカの黄金コンビに任せた。
そして日本戦で穴と指摘されたニクラス・ズーレはポジションを右サイドバックからセンターバックへ移し、代わりにティロ・ケーラーが右のサイドバックに入っている。
一方のスペインは第1節でコスタリカを7-0のスコアで粉砕しており、特に何かを変える必要はない。右サイドバックをセサル・アスピリクエタからダニエル・カルバハルにローテーションしただけで、その他の10人は同じ顔ぶれで臨む。
最初にチャンスを掴んだのはスペインだ。6分、コスタリカ戦でも猛威を振るった中盤のパスワークでバイタルエリアに侵入すると、ダニ・オルモが強烈なミドルシュート。これはドイツの守護神マヌエル・ノイアーが何とか手に当てたため、ボールはバーを直撃。
しかし前半に相手ゴールを脅かしたプレイはオルモの一撃くらいで、残りの時間は中盤で激しくボールを奪い合う展開が続いた。39分にはフリーキックからドイツ代表DFアントニオ・リュディガーがネットを揺らしたが、これはオフサイド。ドイツもメンバーを変えた攻撃陣が機能したとは言えず、前半はスペインの守備陣を脅かせなかった。
両指揮官が切った交代カードでゲームは動き出す
試合を動かしたのはスペインの交代策だ。第1節のコスタリカ戦では54分にフェラン・トーレスに代えてアルバロ・モラタが投入されたが、このドイツ戦では57分に同じくトーレスからモラタへ交代。スペイン代表監督ルイス・エンリケの中では1つの決まったパターンなのだろう。
すると62分、左サイドの折り返しにモラタが合わせてスペインが先制。投入から5分で決定的な仕事を果たすことになり、ビハインドを負ったドイツのベンチが慌ただしくなる。
70分にはギュンドアンに代わり、日本戦はコンディション不良で回避したFWレロイ・サネが登場。ニャブリを左、サネを右ウイングに配置し、攻撃に縦のスピードが加わった。
さらにミュラーを下げ、サプライズ招集枠のFWニクラス・フュルクルクも投入。これで高さもプラスされ、徐々にドイツが攻勢を強めていく。
そして83分、サネとムシアラの縦の関係でドイツの守備陣を崩したドイツは、混戦を抜け出したムシアラからフュルクルクがボールを受け取って豪快に右足一閃。これがGKウナイ・シモンの肩口を抜け、ドイツが同点に追いついた。エンリケと同じくフリックの交代策も当たることになり、どちらも交代で入ったFWがネットを揺らした。
ドイツはやはりサネのスピードが加わった影響が大きく、後半アディショナルタイムにもカウンターからサネが抜け出してペナルティエリアへ侵入。最後はGKまでかわして中へ折り返したが、これは惜しくも味方に届かなかった。しかし逆転の可能性を感じさせる攻撃の迫力があり、サネの復帰は大きい。
試合はそのまま1-1で終了。スペインが勝点を4に伸ばして首位、日本とコスタリカが同3で並び、ドイツが勝点1で4位となった。どのチームにも決勝トーナメント進出の可能性が残っており、最終節は荒れそうだ。
[スコア]
スペイン 1-1 ドイツ
[得点者]
スペイン
62分 アルバロ・モラタ
ドイツ
83分 二クラス・フュルクルク
[ポゼッション]
スペイン51% ドイツ33% 中立 16%
[シュート数]
スペイン7本 ドイツ11本
[枠内シュート]
スペイン3本 ドイツ4本
[イエローカード]
スペイン1枚
セルヒオ・ブスケッツ
ドイツ3枚
ティロ・ケーラー
ジョシュア・キミッヒ
レオン・ゴレツカ
[レッドカード]
なし
[ラインナップ]
スペイン
フォーメーション:[4-3-3]
監督:ルイス・エンリケ
GK
ウナイ・シモン(アスレティック・ビルバオ)
DF
ダニエル・カルバハル(レアル・マドリード)
ロドリ(マンチェスター・シティ /イングランド)
ジョルディ・アルバ(バルセロナ)
アイメリク・ラポルト(マンチェスター・シティ/イングランド)
MF
セルヒオ・ブスケッツ(バルセロナ)
ガビ(バルセロナ)
ペドリ(バルセロナ)
FW
マルコ・アセンシオ(レアル・マドリード)
フェラン・トーレス(バルセロナ)
ダニ・オルモ(ライプツィヒ/ドイツ)
交代出場
54分 フェラン・トーレス→アルバロ・モラタ(アトレティコ・マドリード)
66分 マルコ・アセンシオ→コケ(アトレティコ・マドリード)
66分 ガビ→ニコ・ウィリアムズ(アスレティック・ビルバオ)
82分 ジョルディ・アルバ→アレハンドロ・バルデ(バルセロナ)
ドイツ
フォーメーション:[4–5-1]
監督:ハンジ・フリック
GK
マヌエル・ノイアー(バイエルン)
DF
アントニオ・リュディガー(レアル・マドリード/スペイン)
ダビド・ラウム(ライプツィヒ)
ニクラス・ズーレ(ドルトムント)
ティロ・ケーラー(ウェストハム/イングランド)
MF
ジョシュア・キミッヒ(バイエルン)
レオン・ゴレツカ(バイエルン)
セルジュ・ニャブリ(バイエルン)
ジャマル・ムシアラ(バイエルン)
イルカイ・ギュンドアン(マンチェスター・シティ/イングランド)
FW
トーマス・ミュラー(バイエルン)
交代出場
70分 トーマス・ミュラー→ニクラス・フュルクルク(ブレーメン)
70分 ティロ・ケーラー→ルーカス・クロスターマン(ライプツィヒ)
70分 イルカイ・ギュンドアン→レロイ・サネ(バイエルン)
85分 セルジュ・ニャブリ→ヨナス・ホフマン(ボルシアMG)
87分 ダビド・ラウム→ニコ・シュロッターベック(ドルトムント)