カタール・ワールドカップのグループE第3戦で、日本はスペインに2-1の逆転勝利を収めた。この結果、2大会連続の決勝トーナメント進出を達成。大一番で奮闘した森保ジャパンの選手たち。そのパフォーマンスを元日本代表MF藤田俊哉氏に採点してもらった。W杯優勝経験国に大金星。“超”好評価がずらりと並んだ。

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▼スペイン戦に出場した日本代表全16選手の採点
スタメン)
GK
権田修一 8
DF
谷口彰悟 8
板倉 滉 8
長友佑都 7(HT OUT)
吉田麻也 8
MF
久保建英 7(HT OUT)
守田英正 8
伊東純也 9
鎌田大地 7(68分OUT)
田中 碧 9(87分OUT)
FW
前田大然 7.5(62分OUT)

途中出場)
MF
堂安 律 9(HT IN)
MF
三笘 薫 9(HT IN)
FW
浅野拓磨 8(62分IN)
DF
冨安健洋 9(68分IN)
MF
遠藤 航 ー(87分IN)
 
▼寸評
 ブロックを作りながら、守って少ないチャンスをモノにする――。森保一監督のゲームプランが見事にハマった試合だった。

 守備重視のサッカーは、全員がチームに貢献しなければ強度を維持できない。戦術上、「誰が良かった」という評価をつけづらく、一方で大きなミスをおかした選手も見当たらない。

 その意味で、この日、出場したすべての選手は軒並み及第点以上のパフォーマンスと評価するのが妥当だろう(遠藤は出場時間が短いため、採点の対象外とした)。

 前半のみの出場となった選手も「7」をつけた。もっとも、前後半に分けて見れば、前半は「0-1」、後半は「2-0」だったことから、前半よりも後半に出場した選手のパフォーマンスにはポイントを上乗せする必要がある。

 同点ゴールを決めた堂安律、逆転ゴールを決めた田中碧、左サイドで“違い”を見せた三笘薫、完璧な守備を見せた冨安健洋は、満点に近い評価を与えてもいいだろう。

 ドイツ戦に続いて、今大会2度目となるジャイアントキリングを演出した森保監督の采配もパーフェクトに近い。特に後半の手腕は特筆ものだ。スペインのルイス・エンリケ監督の動きを先読みするかのごとく、タイミングの良い交代策を見せながら「逆転→逃げ切り」に成功した。

 最後にMVPを選んでみたい。非常に難しい作業になるが、総合的に考えるとやはり三笘になる。守備ではフェラン・トーレスの自由を奪う執拗なマークを見せ、攻撃ではスピードを活かしたドリブルで日本の少ないチャンスを演出した。

 逆転ゴールにつながった折り返しのスライディングは、スペイン撃破のハイライトシーンとして永遠と語り継がれるだろう。

【著者プロフィール】
藤田俊哉(ふじた・としや)/1971年10月4日生まれ、静岡県出身。清水商高―筑波大―磐田―ユトレヒト(オランダ)―磐田―名古屋―熊本―千葉。日本代表24試合・3得点。J1通算419試合・100得点。J2通算79試合・6得点。J1では、ミッドフィルダーとして初めて通算100ゴールを叩き出した名アタッカー。2014年からオランダ2部VVVフェンロのコーチとして指導にあたり、2016-17シーズンのリーグ優勝と1部復帰に導いた。以後、イングランドのリーズ・ユナイテッドや日本サッカー協会のスタッフなどを歴任。今年9月に古巣・磐田のスポーツダイレクターに就任した。

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