2日に行われた、「FIFA ワールドカップ カタール 2022」グループE・第3節。強豪スペインと対戦した日本代表は2-1で逆転勝利をおさめ、グループリーグを1位で突破。日本中が歓喜したその試合で、田中碧はゴールライン際のボールを折り返した三笘薫のアシストを受け、勝ち越しゴールを決めた。

 劇的勝利から一夜明け、インタビューに答えた田中碧は、ここまでの試合を冷静に振り返りつつ、「ここからが本当の勝負」と決勝トーナメントに向けて静かに闘志を見せた。

【映像】グループリーグの戦いを振り返る田中碧

-ここまで2試合スタメンで出場している。ひとつの区切りを迎えたところでの振り返りを。

 ここまでは素晴らしい結果なのかと思います。3戦通して、1位突破というのはこれ以上ない結果だと思うので いいことかなと思います。

-勝利した2戦は前後半で大きく試合内容が変わっている。ハーフタイムではどんなメンタリティの切り替えをしているのか。

 毎試合ハーフタイムはすごく重要です。結果は出なかったけれど、コスタリカ戦も前後半で違うゲームにはなりました。前半うまくいかないということは毎試合起きることなので、それに対してギアを上げるということは常に意識していて。勝った時はそれが功を奏しているんだと思います。

-前半のボール支配率は8割がスペインだった。ピッチ上での焦りはあったか。

 そもそも0点で進めたかったので、失点するのが早かったなとは思ったけど、絶対に2失点はしてはいけないと思いました。ただ、それ以外に自分たちのピンチがあったかというとそんなにはなかったので、そんなに自分たちがやられているという焦りはなかったです。

-夢のワールドカップで得点をしたことについて、率直な感想は。

 うれしかったです。ただ、チームの勝利が一番大事で。チームが勝ったからこそ自分の得点が良いものになるので、そういう意味では勝ったことがすべてだし、その試合でゴールを決められたというのが最高の喜びだと思います。

-自身の視野から、三笘のクロスはどう見えたのか。

 僕は内側から見てるのでラインから出たかなとは思いました。でも、出るかなとは思いつつ最後まで信じて走って、それが最終的にゴールにつながったので彼を信じてよかったです。

-小さい頃からよく知っている三笘からのパスで得点できたことについては。

 やっぱりうれしいです。本来は僕のパスから彼が決めるのが本来の形ではありますけど(笑) 小さい時から一緒にサッカーをやってきたので、こういう舞台で一緒にできたことは幸せなことだと思いますし、なおかつ点が取れたのはすごく幸せでした。

-三笘と小さい頃の話はするのか。

 たまに小中学校の話はしますが、そんなに多くはないです。

-どんな子供時代だったか。

 彼は、年上で、ずっと追いかけてきたお兄ちゃん的存在だったので、一緒にサッカーをするためには自分が上にいかなくてはいけなかった。お兄ちゃんでありながら、目指すべき選手ではあったのかなと思います。

-ワールドカップならではのムーブメントについては。

 自分が今まで見てきたワールドカップと、プレーする側になるのとでは大きく違うなと思います。良い意味で期待を裏切ったからこそ、盛り上がっているのだと思うし、負ければ批判されることもあると思います。でも僕は、多くの方々と一緒に戦いたい。厳しい戦いが待ってると思いますが、自分たちの背中を押して欲しいと思います。

-このような特殊な環境の中で、平常心を保つ秘訣は。

 最後は自分自身がやるだけ。自分が今まで積み上げたものでここに立っているし、自分が他の人よりも何十倍も何百倍も努力してここに来ているので、あとは、自分で掴みとってきたものを自分自身で生かすだけ。誰に何を言われようと、今まで生きてきた自分の人生を信じてやってるだけなのかなと思います。

-対クロアチア戦の分析は進んでいるのか。

 まだ試合が終わって間もないので、リカバリーをしながらそれぞれ映像をみたりしているのかなという段階です。

-どういったところに勝機を見出していくか

 クロアチアは中盤の3人が特殊というか、世界的にも有名な選手なので、そこの攻防に勝つことで主導権を握る展開になるのかなと思う。そこでの勝負が一番大事かなと思います。

-次の戦いに向けてサポーターにひとこと。

 ここまで来れたのも自分たちの力だけではないと、ピッチに立っていてすごく感じています。やっとスタートラインに立ったところで、ここからが本当の勝負だと思います。次の試合にも、たくさんの人の力を借りて新しい歴史を作りたいと思うので、是非応援よろしくお願いします。

(『ABEMANEWS』より)