日本に歓喜をもたらした堂安の左足
グループステージの全48試合が終わり、現在は決勝トーナメント1回戦の試合が行われているFIFAワールドカップ・カタール大会。日本代表はグループステージの3試合で全4ゴールを記録したが、その中でもFW堂安律が決めたスペイン戦の先制弾は、“スピード”という観点からも非常に優れたゴールだったようだ。
今大会の堂安は、初戦のドイツ戦と3戦目のスペイン戦でそれぞれ1ゴールを決めている。特にスペイン戦の後半開始直後に決めたミドルシュートは、ややコースが甘かったものの非常にパンチ力があり、GKウナイ・シモンが弾ききれないほどのものだった。そして日本はこのゴールをきっかけにスペインから逆転勝利をあげており、ドイツ戦に続いて下剋上を成し遂げている。
伊『Gazzetta dello Sport』は、シュートスピードが速かったグループステージのゴールをトップ10まで発表している。アルゼンチン代表FWリオネル・メッシがメキシコ戦で決めたミドルシュートは109.83 km/hで9位、ポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドがガーナ戦で決めたPKは117.39 km/hで4位にラインクイン。そして、堂安のスペイン戦のゴールは120.04 km/hで2位に輝いている。
堂安のゴールより速かった1位のゴールは、メキシコ代表MFルイス・チャベスが決めたサウジアラビア戦のFKだった。チャベスはファイナルサードぎりぎりという遠目の位置から、臆することなく左足を振り抜き、縦回転気味の強烈なシュートをゴール右隅に突き刺している。シュートスピードは121.69 km/hを記録しており、飛んだコースも素晴らしく、サウジアラビアのGKモハメド・アルオワイスはこれに触れることすらできなかった。
当然スピードだけが全てというわけではないが、強烈なシュートは見るものを惹きつける。決勝トーナメントでもこのランキングに割って入るような高速シュートを見たいところだが、欲を言えば、それが日本人選手のゴールであってほしいところだ。