クロアチア代表を率いるズラトコ・ダリッチ監督が、FIFAワールドカップカタール2022・ラウンド16日本代表戦の前日会見に出席した。

 ダリッチ監督はまず、グループEを首位通過した日本代表に敬意を払った。「大切なのは、我々は日本をリスペクトしているということ。W杯優勝国のドイツ、スペインを破った粘り強さを持っている。選手には決して相手を見下すなと伝えた。勝ち進むには我々の態度のスタンダードも上げないといけない。最大のリスペクトを対戦国に示す、良いチームだと伝えた」と語り、一瞬の気の緩みが命取りになると警戒した。

「日本で分析したことはボール支配率は低いが、素晴らしいトランジションがあり、プレスをしてきて、テンポの速い、とても危険なチーム。それをチームには強調した。彼らはすべてのアクションができる。5、6人の選手がカウンターに来る。そしてスペイン、ドイツ戦で日本も自信をつけたと思う。我々の経験で言うと、1秒たりとも緩んではいけない、そして屈しない。彼らも屈しないとわかっているが、我々も屈せず、集中力を高める。セットプレーもそう。注意を払って戦いたい。コスタリカ戦はブロックされていたが、非常に粘り強いチーム」

「日本は粘り強く、決してあきらめないチーム。2018年は我々も自分たちを信じて、あきらめず、粘り強く戦った。日本とクロアチアはメンタルもやり方も似ている。それを実践している国。同じ土俵に立っている。我々は成功の方程式を持っている。我々も戦う準備ができている。我々も相手も最善の準備を尽くす」

 1998年大会を3位、前回ロシア大会は2位で終え、初優勝への期待もかかるクロアチア代表。2017年10月からチームを率いるダリッチ監督は、「優勝となれば素晴らしい。一番望んでいることで、トライしているし、期待もある。難しいことではあるが、私は楽観主義者でもある」とコメント。さらに「私は、クロアチアは成功していると信じている。400万人の人口の国。小国ではあるが、過去数年の世界の舞台で実績を挙げているし、環境を考えてもクオリティが上がっている。W杯や他の大会にも常に出場する、世界のサッカーを代表する国の一つとなっている。我々は勝てるとは思っているが、出場できることが幸せと思っている」とも語った。

 チームを束ねる37歳のMFルカ・モドリッチ(レアル・マドリード/スペイン)に対しては、ダリッチ監督も「褒めても褒め足りない選手。クロアチアへの貢献、プロとしての態度、トレーニングの働きぶり、自己研鑽、前例にない選手」と絶賛。「(前日会見に同席したヨシュコ・)グヴァルディオールもそうだし、我々のチームは素晴らしい個々の選手に恵まれており、個々がまとまって、一丸となって個々がベストのパフォーマンスをすることでやっている。未来もそのようになっていくと信じている」と、チームの団結力を誇っている。