今季からセルティックのコーチに就任したキューウェル氏の存在
オーストラリアのレジェンドから、ドリブルの極意を教わっている。スコットランド1部セルティックに所属するFW前田大然は、3月21日に日本代表に合流し、高円宮記念JFA夢フィールドで汗を流した。
「リーグ戦で一回負傷交代して、その影響が少しある」と言う前田は、ウォーミングアップから別メニューとなったが、途中からはピッチにも姿を現し、ランニングシューズを履きジョギングなどで調整した。24日のウルグアイ戦の出場の可否が気になるところだが、「次の試合に向けてやっている」と間に合わせる意思を見せた。
カタール・ワールドカップ(W杯)では、スペイン戦(2-1)とドイツ戦(2-1)に先発出場し、決勝トーナメント進出に貢献。ラウンド16のクロアチア戦(1-1:PK1-3)ではゴールも決めた前田は、W杯を戦ったことで「責任感を持たないといけないという思いは強くなった。W杯で点を取れたことで自信も付いて、セルティックでの個人のパフォーマンスも上がっていると思う」と手応えを語っている。
日本代表ではセンターフォワードでプレーしている前田だが、セルティックではウイングが定位置だ。カタールW杯後には、ドリブル突破を仕掛ける回数も増えたが、そこにはオーストラリア代表のレジェンドであり、今季からセルティックのコーチに就任したハリー・キューウェル氏の存在があるという。
現役時代「オズの魔法使い」の愛称をつけられたテクニシャンと「マンツーマンのミーティングや練習」をしていることを明かした前田は、「W杯前の僕は自信なくプレーしていて、すぐにボールをはたいたりしていた。その時に『もっとできるから』と声をかけてくれた。そこから(マンツーマントレーニングを)やるようになって、今でもやっている。『1対1なら勝負しろ』『取られてもいいから』と言ってもらって、それが良いパフォーマンスにつながっていると思う」と説明した。
昔からサッカーを見ている者は、キューウェル氏からマンツーマン指導を受けることのすごさを理解できると思うが、現役時代を知らなかったという前田は、当初、キューウェル氏に対して「めっちゃ言ってくるな」と感じたという。それでも、「最近、現役時代のプレーをYouTubeで見て、凄いなと。映像を見たら納得した」と過去の映像を見て、より素直に指導に耳を傾けられるようになったことを明かした。
第2次森保ジャパンでは、前田がセンターフォワードで起用されるのか、ウイングで起用されるのかはわからない。それでも、オーストラリア代表やリバプールでも活躍したテクニシャン直伝のドリブルが、日本代表の力にもなる日は来るはずだ。(河合 拓 / Taku Kawai)