FIFAワールドカップカタール2022のラウンド16が5日に行われ、日本代表はクロアチア代表と対戦し、1-1で迎えたPK戦の末に敗退。試合後、記者会見に臨んだ森保一監督は選手たちの奮闘を称えつつ、ベスト8以上という“新しい景色”に到達するために重要となることを指摘した。

  森保監督は、ボール保持率の低下と共に押し込まれ、試合をひっくり返されたロシアW杯の反省を受け、守から攻への切り替えの部分で簡単にボールを失わずに繋ぐことの大切さを強調してきたとし、その点に関しては「選手たちはよくやってくれたと思います」と評価。現状の「ベストを尽くしてくれた」としつつ、「その繋ぐことが効果的な攻撃につながっていく、試合のコントロールにつながっていくことは、これから先のレベルアップを考えなくてはいけないところだと思っています」と、今後に向けた課題も指摘した。

 また、「試合全般で見ると、十分チャンスを作れたと思います」と述べ、死力を尽くした選手たちを称えた一方で、「まだまだインテンシティが高い中、ハイスピードの中、常に我々がコントロールして優位に試合を進めるという部分では、課題として考えなければいけない」とも主張。その上で、「全てが一気には変わらないと思いますし、いきなりスーパーマンにはなれないと思いますので、そこを地道に積み上げていくことが大切だと思います」との見解を示し、今大会を通じても「世界と戦える積み上げができてきている」との手応えを口にした。

 PK戦での決着ということに関しては、「この試合をモノにできなかったということを、この結果を受け止めなくてはいけない」としつつ、「相手のGKが素晴らしいセービングを見せた」と、3本のPKストップを見せた相手GKドミニク・リヴァコヴィッチを称賛。その上で、日本の選手たちには「勇敢に120分戦ってくれたと思いますし、PKを蹴ってくれた選手たちは勇気を持ってPKに臨んでくれたと思います」と労いの言葉をかかけ、次のように続けた。

「PKまでいく流れの中で、できれば我々は勝ちたかったですけど、PKの結果は残念ですけど、仕方ないということで受け止めていきたいと思います。これで選手たちの頑張りが何か変わるものではないと思いますし、胸を張って、選手たちには、世界と戦えることを示したということを、世界を越えていけることを示してくれたことを誇りに思って、次に向かっていってほしいと思います。まだまだ日本の選手たちは成長できると思います」。

 最後に、「PKは運か練習か」との問いに対しては、「両方あると思います」と述べ、育成年代を含めて「ボールを強く狙ったところに決めていくという部分においては、日本とヨーロッパであったり、世界のトップを走るチームとの差があると感じてきていました」とコメント。この日のPKに関しては「相手GKが素晴らしかった」としつつ、「強く狙ったところに蹴れるから駆け引きができるというこは、今後の日本サッカーにおいて1つポイントとして改善していかなければいけないところかなと思っています」との考えも口にした。