FIFAワールドカップカタール2022・決勝トーナメント1回戦(ラウンド16)が6日に行われ、スペイン代表はPK戦の末にモロッコ代表に敗れた。データサイト『Opta』によると、ワールドカップのPK戦で4敗目を喫するのは、大会ワーストの記録だという。

 試合は序盤からスペイン代表がボールを握る構図となったものの、モロッコ代表もコンパクトな守備でチャンスを与えない。スコアレスのまま90分間が経過し、試合は延長戦に突入した。あと一押しが足りないスペイン代表に対して、モロッコ代表は鋭いカウンターから決定機も作り出したが、120分が終わっても決着がつかない。勝負の行方はPK戦に委ねられた。

 後攻だったスペイン代表は、1人目のパブロ・サラビアが右ポストに当てて失敗したのを皮切りに、2人目のカルロス・ソレール、3人目のセルヒオ・ブスケツもGKボノにコースを読まれ、止められてしまう。一方、モロッコ代表は3人目を務めたバドル・バヌン以外の3選手が成功。死闘に終止符を打ったモロッコ代表は、1990年イタリア大会のカメルーン代表、2002年日韓大会のセネガル代表、2010年南アフリカ大会のガーナ代表に続き、アフリカ勢として準々決勝に進出した4カ国目のチームとなった。

 決勝トーナメント1回戦でPK負けという憂き目を見たスペイン代表は、過去のワールドカップで5度のPK戦を経験しており、涙を飲むのはこれが4度目だという。初めてPK戦で敗れたのは1986年メキシコ大会・準々決勝のベルギー代表戦。2002年日韓大会・決勝トーナメント1回戦のアイルランド代表戦はPK戦を制して勝ち進んだものの、続く準々決勝ではPK戦で韓国代表に敗れた。記憶に新しい2018年ロシア大会では、決勝トーナメント1回戦で開催国のロシア代表と対戦。1-1のまま120分が終了すると、先攻だったPK戦では5名中2名が失敗。4人全員が成功していたロシア代表に敗れる結末となっていた。

 こうして5度目のPK戦でも勝ちきれなかったスペイン代表。ワールドカップのPK戦で敗北を4度経験するのは、大会最多の不名誉な記録となってしまった。