【専門家の目|金田喜稔】日本代表チームや日本人ファン・サポーターに世界が注目

 森保一監督率いる日本代表は、現地時間12月5日のカタール・ワールドカップ(W杯)決勝トーナメント1回戦でクロアチア代表と対戦。1-1の同点で延長戦を終え、PK戦の末に1-3と敗れた。「天才ドリブラー」として1970年代から80年代にかけて活躍し、解説者として長年にわたって日本代表を追い続ける金田喜稔氏が、森保ジャパンの戦いを振り返り、「ピッチ内外で日本のファンが増えた大会」と総括した。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)

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 今回大会は、日本代表チームだけでなく、日本人ファン・サポーターを含めて、日本や日本人という存在を世界にアピールする大会になったと思う。

 ピッチ内では、W杯優勝経験国のドイツをグループリーグ初戦で撃破し、第3戦でスペインにも勝利した。海外からすれば「まさか……」という展開の連続で、日本代表の存在感は間違いなく高まった。

 しかも、ドイツ戦とスペイン戦はいずれも先制されながら、2-1の逆転勝利という展開がまたいい。最後まで走り切る、やり切る、諦めない。そんな姿を選手たちや森保監督が見せてくれた。

 ピッチ外では、試合後の日本代表の掃除・整理整頓されたロッカールームも話題に上がっている。今に始まったことではなく、これまでもやっていたことだが、改めて注目を浴びていたし、その姿勢が世界的に再評価されているのは確かだ。そして試合が行われるスタンドでは、日本人ファン・サポーターのゴミ拾いも称賛の的になっているし、各国代表にファン・サポーターにも広がり始めていると聞く。

 世界が注目する国際大会で、日本代表や日本人ファン・サポーターの行為を含め、日本や日本人に注目が集まっている。日本人の我々からしたら当たり前の行為、普通のことでも、世界が再評価してくれるのは素晴らしいことだ。

 そうした意味で、ピッチ内外で日本のファンが増えた大会だと思う。もちろんサッカーの大会である以上、魅力的なプレーでファンを惹き付けることは大事だが、こうして日本ファンが世界中で増えていくことを誇りに思う。

 W杯を通じて、ピッチ内外で日本や日本人の良さを世界に発信してくれた。そして、この影響力や反響を見ている日本の子供たちにとっても、大きな体験になるだろう。サッカーの凄さや魅力を感じ、サッカーをやりたいと思う子供たちが増えることは、日本サッカー界の強化という意味でも意義深いことだ。(FOOTBALL ZONE編集部)