サッカーの国際大会であるFIFAワールドカップにおける ポットについて、分け方などを紹介します。
目次
- ポットとは?
- ポット分けの基準
- 抽選会の仕組み
- ワールドカップ 2022のポット分け
- まとめ
ポットとは?
ワールドカップの抽選における「ポット」とは、参加する32カ国を実力によって4つのグループに振り分ける“基準”のようなものです。出場国を、開催国とFIFAランキングの上位から順に、ポット1からポット4に分けることで、グループステージでいきなり強豪チーム同士や同じ地域の国が一緒にならないように配慮されています。
ポット分けの基準
ポット1は、開催国とFIFAランキングの上位7カ国、ポット2は8位から15位、ポット3は16位から23位、ポット4は、24位から28位が入り、そこに、大陸間プレーオフの勝者2チームと、欧州予選プレーオフ・パスAの勝者が入ります。
抽選会の仕組み
ワールドカップの抽選は、ポットごとに進めていきます。32チームを4チームずつ、A〜Hの8グループに振り分けます。開催国はポット1、およびグループAが決まっています。各ポットともグループAから順に決められ、ポット1の8カ国は各グループの「ポジション1」に入ることが決まっています。ポット2以降は、チーム名が入ったボールが引かれた後、グループ内のポジションを抽選します。ポット1の抽選が終わったら、ポット2、ポット3、ポット4の順番で抽選します。同じ連盟に所属している国は、13チームが出場する欧州サッカー連盟(UEFA)を除いて、各グループに分かれるため、グループステージで対戦することはありません。ただしUEFAは、8つのうち5グループがヨーロッパのチーム同士が戦うことになります。
ワールドカップ 2022のポット分け
ポット1
ポット1は、2019年のアジアカップで優勝を果たすなど、近年、国策で強化を続けてきた中で、今大会が初出場となる開催国のカタール。南米予選を圧倒的な強さで勝ち上がり、ワールドカップの優勝回数は歴代最多の5回を誇り、最新のFIFAランキングで1位に入る優勝候補ブラジル。前回のワールドカップ2018では、ノックアウトステージ第1戦で日本を下し、同国史上初の3位になった強豪国ベルギー。ワールドカップ1998の母国開催を含む2回の優勝経験があり、今大会で連覇の期待がかかる前回王者フランス。ワールドカップ2014に準優勝し、過去2回の優勝経験ががあり、世界最高の選手の一人メッシが率いて36戦無敗で今大会に臨むアルゼンチン。前回大会では、1990年以降、勝ち上がれていなかったベスト4に進出し、選手層の厚さが際立つ今大会は1966年以来となる2回目の優勝を狙うイングランド。1978年以降、12大会連続出場を果たし「ティキ・タカ」と呼ばれる独特なリズムのパスワークを武器に、2010年以来の優勝を狙うスペイン。ワールドカップでは、1966年の3位が最高成績であるものの、EURO 2016で優勝を遂げ、近年強さを見せつけている、クリスティアーノ・ロナウドを擁するポルトガルが入っています。
国名 | FIFAランキング | 大陸 | 所属 |
---|---|---|---|
カタール | 51位 | アジア | AFC |
ブラジル | 1位 | 南米 | CONMEBOL |
ベルギー | 2位 | 欧州 | UEFA |
フランス | 3位 | 欧州 | UEFA |
アルゼンチン | 4位 | 南米 | CONMEBOL |
イングランド | 5位 | 欧州 | UEFA |
スペイン | 7位 | 欧州 | UEFA |
ポルトガル | 8位 | 欧州 | UEFA |
ポット2
ポット2は、過去16回出場し、前回のワールドカップ2018初戦で優勝候補ドイツを破り、7大会連続となるグループステージを突破しており、過去最高成績となるベスト8以上を目指すメキシコ。ヨーロッパの強豪国の一つで、FIFAランキングで1位に立ったこともあり、過去3回の準優勝があるオランダ。5回のワールドカップ出場経験を持ち、「ダニッシュ・ダイナマイト」の愛称で親しまれ、ワールドカップ1998のベスト8が最高成績のデンマーク。世界を代表する強豪国の一つで、8回の決勝進出と、ワールドカップ2014を含む4回の優勝経験があり、ワールドカップ2018でグループステージ敗退となった雪辱を果たしたいドイツ。1930年、1950年と2回の優勝以降はなりを潜めたものの、ワールドカップ2010で40年ぶりのベスト4に進し、今大会の古豪復活を目論むウルグアイ。強豪ひしめく欧州予選において安定的な強さを見せて5大会連続出場、ワールドカップ1954年以来達成できていないベスト8以上を狙うスイス。ワールドカップ第1回大会における3位が最高成績で、ワールドカップ1954以降は予選敗退が続きながらも、ワールドカップ2014年以来、2大会ぶりに出場を果たしたアメリカ。初出場のワールドカップ1998年で3位となって以降は予選敗退やグループステージ敗退と苦しみながらも、ワールドカップ2018で準優勝を遂げ、今大会は頂点を狙うクロアチアが入っています。
国名 | FIFAランキング | 大陸 | 所属 |
---|---|---|---|
メキシコ | 9位 | 北中米カリブ海 | CONCACAF |
オランダ | 10位 | 欧州 | UEFA |
デンマーク | 11位 | 欧州 | UEFA |
ドイツ | 12位 | 欧州 | UEFA |
ウルグアイ | 13位 | 南米 | CONMEBOL |
スイス | 14位 | 欧州 | UEFA |
アメリカ | 15位 | 北中米カリブ海 | CONCACAF |
クロアチア | 16位 | 欧州 | UEFA |
ポット3
ポット3は、今大会が3度目の出場となり、初出場のワールドカップ2002でベスト8となった成績が過去最高であるアフリカの雄、セネガル。アジアの強豪国の一つとして、アジアカップは3回の優勝を誇り、6回のワールドカップ出場経験があるものの、今大会で初のグループステージ突破を目指すイラン。ワールドカップ199年の初出場から7大会連続出場を果たし、3回のベスト16が最高成績で、今大会のベスト8以上を目指す日本。6回目の出場となり、ワールドカップ1986ではベスト16に進出したものの、ワールドカップ1998以降は予選敗退が続き、前回大会で久しぶりに出場、今大会で2回連続となるモロッコ。2010年に、モンテネグロと分離して以来初の本大会出場を決め、3回目の出場で初のノックアウトステージ進出を目指すセルビア。過去8回の出場の中で2回の3位経験があるものの、ワールドカップ1986以来遠ざかっているノックアウトステージ進出を目指す、エース・レヴァンドフスキがけん引するポーランド。アジアの強豪国であり、10回の本大会出場と、日韓共同開催となったワールドカップ2002で4位に輝いたこともある韓国。ワールドカップ1978に初出場し、ワールドカップ2006から3大会連続出場中、アフリカの強豪であり今大会が5回目の出場となるチュニジアが入っています。
国名 | FIFAランキング | 大陸 | 所属 |
---|---|---|---|
セネガル | 20位 | アフリカ | CAF |
イラン | 21位 | アジア | AFC |
日本 | 23位 | アジア | AFC |
モロッコ | 24位 | アフリカ | CAF |
セルビア | 25位 | 欧州 | UEFA |
ポーランド | 26位 | 欧州 | UEFA |
韓国 | 29位 | アジア | AFC |
チュニジア | 35位 | アフリカ | CAF |
ポット4
ワールドカップ1882で初出場してから7回目の本大会となり、ワールドカップ1990では最高成績となるベスト8に進出した、アフリカの強豪カメルーン。ワールドカップ1986で初出場してからは本大会へ出場できていなかったが、近年はヨーロッパで活躍する選手が増え、36年ぶり2回目の出場を果たしたカナダ。強豪揃いの南米予選を勝ち上がり、4回目の出場となり、ワールドカップ2006年以来のベスト16進出を目指すエクアドル。アジアの強豪国の一つであり、ワールドカップ1994では初出場ながらベスト16に進出し、高い身体能力を武器に今大会の躍進が期待されるサウジアラビア。アフリカ勢の中でも特に成長を遂げ、ワールドカップ2006からは、ワールドカップ2018を除く全ての大会に出場し、ベスト8が最高成績のガーナ。大陸間プレーオフを制して通算6回目の出場を決め、ワールドカップ2014ではベスト8になった経験を持つコスタリカ。初出場はワールドカップ1974と古く、今大会が6回目の出場となるアジアの強豪国、オーストラリア。ワールドカップ1958に初出場し、ベスト8に進出してからは本大会への出場から遠ざかっていたが、プレーオフを制して64年ぶり2回目の出場を決めたウェールズが入っています。
国名 | FIFAランキング | 大陸 | 所属 |
---|---|---|---|
カメルーン | 37位 | アフリカ | CAF |
カナダ | 38位 | 北中米カリブ海 | CONCACAF |
エクアドル | 46位 | 南米 | CONMEBOL |
サウジアラビア | 49位 | アジア | AFC |
ガーナ | 60位 | アフリカ | CAF |
ウェールズ | 欧州予選プレーオフ勝者 | 欧州 | UEFA |
コスタリカ | 大陸間プレーオフ勝者 | 北中米カリブ海 | CONCACAF |
オーストラリア | 大陸間プレーオフ勝者 | アジア | AFC |
まとめ
ワールドカップの抽選は、強豪国や同じ地域のチームがグループで同居しないように、ポット分けをして行われています。それでも、出場数が多いヨーロッパ勢は8グループのうち5グループで一緒になるため、過去に何度も FIFAランキング上位の国同士が激突するグループが発生しています。今大会の日本が所属するグループEには、ワールドカップ2010で優勝したスペイン、ワールドカップ2014で優勝したドイツといった、世界一を知る2チームが入りました。抽選会の仕組みを知り 、各グループの組み合わせにも注目してみてください。