【専門家の目|家本政明】体調不良でベンチ外となった久保も含め“若手選手”に言及

 森保一監督率いる日本代表は、カタール・ワールドカップ(W杯)でグループリーグを首位で通過。決勝トーナメント1回戦でクロアチア代表と対戦し、1-1の同点で延長戦を終え、PK戦の末に1-3と敗れた。元国際審判員・プロフェッショナルレフェリーの家本政明氏は、最後のPK戦でキッカーの1人を務め、敗戦に涙したMF三笘薫を含む日本の未来を担うであろう若手選手について語っている。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部・金子拳也)

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 日本はW杯初のベスト8を目指し、グループリーグでドイツ代表(第1戦/2-1)、スペイン代表(第3戦/2-1)との戦いを勝利し、堂々と決勝トーナメントへ駒を進めた。迎えたクロアチア戦では、オープンな試合展開から前半43分にFW前田大然のゴールで先制と好スタートを切るも、後半10分に相手に追い付かれ1-1の展開に。延長戦を通した120分でも決着がつかず、PK戦の末トータルスコア1-1(PK:1-3)でベスト16敗退が決まった。

 PK戦で2人目のキッカーを務めた三笘は今大会、グループリーグから“ジョーカー”として躍動。クロアチア戦でも、相手にスペースを消されるなど対策を講じられながら、ドリブルで内側へ切り込み惜しいシュートを放つ場面もあった。

 PK戦ではクロアチア代表GKドミニク・リヴァコヴィッチにシュートを止められ、悔しい思いをした日本のアタッカーについて家本氏は、「三笘選手は世界的スターになれる要素があります」とその実力に太鼓判を押した。

「クロアチア戦では、かなり研究されて良さが出ない時間帯もありました。(リオネル・)メッシ選手や(クリスティアーノ・)ロナウド選手のような世界のスターは、それでも研究された苦しい状況を打開してきました。三笘選手にもそうなってほしいと思っていますし、彼ならできると信じています」

 また、この試合で体調不良のためベンチ外となったMF久保建英には「同じく悔しい思いを持っているはずです」と心境を察しつつ、「彼らのような若い選手たちが、今回の経験をバネにして次の大会で頼もしく成長していってくれればいいなと思います」と日本サッカーの成長を担う若い選手に期待を懸けていた。(FOOTBALL ZONE編集部・金子拳也 / Kenya Kaneko)