フランス代表を率いるディディエ・デシャン監督が、10日に行われるFIFAワールドカップカタール2022準々決勝イングランド代表戦の前日会見に臨んだ。フランス紙『レキップ』がコメントを伝えた。

 史上3チーム目となるW杯連覇に向けて、ここまで順調に歩みを進めるフランス代表。8強に生き残ったのはどこも優勝候補に挙げられる強豪国であり、“レ・ブルー”にとって本当の戦いはここから始まる。それでも、デシャン監督は「ワールドカップの準々決勝だが、ストレスはない。ベスト4に進出するという当たり前の目的のもと、幸せ、喜びを感じるだけだ」と、自身を含めチーム全体がリラックスしていることを明かした。

 一方でイングランド代表へのリスペクトも欠かさず。「今のイングランド代表はトランジションが非常に得意だが、それだけでなく、彼らは試合のクオリティが高く、セットプレーからも得点できる。はっきり言って、イングランドに弱点はないよ(笑)どのチームにも、ストロングポイントとあまり得意ではない部分はある。これまでの試合で彼らがやってきたことを分析して、彼らの欠点ではなく、どこから攻めるべきかを見極めなければならない」と、難しい試合となることを覚悟している。

 フランス代表の要注目選手はやはり、ここまで大会トップの5得点を挙げているFWキリアン・エンバペ(パリ・サンジェルマン)だ。デシャン監督は「イングランドも、私たちとこれまでに対戦した4チームと同様、彼への対策は練っているだろうね」としつつ、「それでも、キリアンは違いを生み出す能力を持っている。直近の試合(ポーランド代表戦)は、最初の2試合と比べると彼は本調子ではなかったが、それでも決定力を発揮した。キリアンは常にキリアンであり続ける。どんなときも決定力を失わない能力を持っている」と、エースの活躍に期待を寄せている。

 FFFのノエル・ル・グラエ会長は、準々決勝で敗退した場合でもデシャン監督を続投させる可能性を示唆していた。契約が12月末までのデシャン監督は、「会長がそのように言ってくれたのは、とても素晴らしいことだね。だが、私はこの準々決勝の先に待っているものだけを優先している。質問の答えになっていないが、これが私の答えだよ(笑)」と語り、現時点で去就は未定であることを強調した。

 イングランド代表vsフランス代表は日本時間10日28時(11日4時)キックオフ。ABEMAで独占生配信される。