連日にわたって熱戦が繰り広げられているFIFAワールドカップカタール2022はベスト8が出揃った。優勝候補と目されるブラジル代表やアルゼンチン代表が順当に駒を進めた一方で、クロアチア代表やモロッコ代表は激闘を制してしぶとく8強に名を連ねている。ここでは、これまでの戦いを分析して数値化し、戦術やフォーメーションを紹介する。※「攻撃」「守備」「選手層」「勝負強さ(≒采配、戦術)」の4項目を25点満点で評価し、合計点で順位を決定。

戦力値ランキング:5位(87)
戦力値:攻撃21/守備23/選手層20/勝負強さ23
監督:ルイ・ファン・ハール
FIFAランキング:8位

▽今大会成績
第1節:対セネガル(○2-0)
第2節:対エクアドル(△1-1)
第3節:対カタール(○2-0)
ラウンド16:対アメリカ合衆国(○3-1)

 相手を圧倒した試合はここまでないが、オランダ代表は手堅く勝ち点を重ね、アメリカ合衆国代表を下してベスト8一番乗りを果たした。真綿で首を締めるような戦いぶりで、試合をコントロールする巧者ぶりがここまでは目立つ。

 ゴールマウスを守るのは、今大会が代表デビューとなったアンドリース・ノペルト。203cmの長身を活かしたビッグセーブで何度もピンチを救っている。フィルジル・ファン・ダイクの両脇は、機動力と対人守備能力を兼ね備えるユリエン・ティンバーとナタン・アケが埋める。

 フレンキー・デ・ヨングは中盤の底でパスワークの起点となり、マルテン・デ・ローンやトゥーン・コープマイネルスとともにカウンターの起点となる。サイドはダレイ・ブリントとダンゼル・ダンフリースで、守備時は最終ライン、攻撃時は逆サイドからのクロスに積極的に飛び込んでいく。

 メンフィス・デパイは怪我から復帰した直後に開幕を迎えたが、徐々にコンディションをあげ、ラウンド16では貴重な先制点を決めている。コーディ・ガクポはグループリーグ3戦連発と絶好調。前線は2トップ+トップ下の形が基本だ。

 最終ラインの重心は高くなく、基本的にファン・ダイクを除くDFとMFの7人はマンマークで対応する。ボールを奪ったら素早く前線につけ、前線3人の個人技で素早くゴールに迫る。ビルドアップはGKも絡み、相手のプレスを引き出し、疑似カウンターを狙う。

▽GK
アンドリース・ノペルト

▽DF
ダンゼル・ダンフリース
ユリエン・ティンバー
フィルジル・ファン・ダイク
ナタン・アケ
ダレイ・ブリント

▽MF
マルテン・デ・ローン
ダヴィ・クラーセン
フレンキー・デ・ヨング

▽FW
コーディ・ガクポ
メンフィス・デパイ