世界で戦えるセンターバックに

2021年からの1年間で最も評価を上げた日本人選手は、ボルシアMG所属DF板倉滉なのかもしれない。

FIFAワールドカップ・カタール大会ベスト16入りにも大きく貢献した板倉は、2019年のコパ・アメリカでA代表デビューを果たしている。このコパ・アメリカは若手中心の編成で臨んでおり、その影響で板倉にも出番が回ってくることになった。

あれから3年。当時はまだA代表のスタメンに据えるのは厳しいかと思われたが、板倉は急成長した。本格的に評価が上がり始めたのは昨夏のシャルケ移籍からだろう。

夏に東京五輪ベスト4を経験した板倉は、当時ブンデスリーガ2部だったシャルケでハイレベルなパフォーマンスを披露。今夏には1部のボルシアMGへ引き抜かれることになり、かなりのスピード出世だ。

ブンデスリーガ1部では苦労するかもしれないとの読みもあったが、そんな心配は吹き飛ばして序盤から大活躍。ボルシアMGの最終ラインに欠かせない存在となった。

ワールドカップ前に怪我を負った際にはヒヤリとしたが、板倉はカタール大会に間に合わせてきた。そこでのパフォーマンスは説明不要で、センターバックとして森保ジャパンを支えてくれた。

スペイン『MARCA』は今大会で評価を大きく伸ばした選手をリストアップしているが、日本からは板倉を選んでいる。

「ボルシアMGでプレイするセンターバックの彼は、大会を通じて最も安定していた選手の1人だ。彼はクロアチア戦を累積警告で欠場するしかなかった。板倉はペナルティエリアでの予測能力を証明し、3バックでも4バックでも後方からボールを繋げていた。シティ・グループが彼と契約したのも驚くことではない」

まだ板倉は25歳。同じ東京五輪世代の冨安健洋と長く代表を引っ張ってくれるはずで、この2人は次の4年も安泰だ。ここはカタール大会で手応えを掴めたエリアと言えよう。