FIFAワールドカップカタール2022準々決勝が10日に行われ、モロッコ代表とポルトガル代表が対戦した。

 アフリカ勢初のベスト4進出を目指すモロッコ代表は、ノゼア・マズラウィとナイフ・アゲルドが負傷欠場となり、ワリド・レグラギ監督はPK戦までもつれたスペイン代表戦から先発を2人変更。悲願の初優勝を目指すポルトガル代表のフェルナンド・サントス監督は、大勝したスイス代表戦から1人のみスタメン変更。同試合でハットトリックを達成したゴンサロ・ラモスが再び先発し、クリスティアーノ・ロナウドは2試合連続でベンチスタートとなった。

モロッコがアフリカ勢初のワールドカップ4強進出! 退場者出すもポルトガルの猛追振り切る

C・ロナウドに群がるカメラマンたち [写真]=Getty Images

 最初の決定機はポルトガル代表。5分、右サイドで獲得したフリーキックから、ブルーノ・フェルナンデスが高速クロスを供給。ジョアン・フェリックスが頭で合わせたが、相手GKボノの好セーブに阻まれた。

 モロッコ代表はポルトガル代表にボールを持たせつつ、アグレッシブな守備で相手に自由を与えない。個の力でシュートに持ち込まれる場面は作られるものの、ゼロで耐え凌ぎながら、ボールを持ったときには鋭い攻めでポルトガル代表のゴールを脅かす。

 試合の均衡が破れたのは42分、モロッコ代表が先制する。左サイドからヤヒア・アティヤット・アッラーがクロスを送ると、相手DFとGKの前に入り込んだユセフ・エン・ネシリが打点の高いヘディングで合わせ、ゴールへ流し込んだ。

モロッコがアフリカ勢初のワールドカップ4強進出! 退場者出すもポルトガルの猛追振り切る

先制点のエン・ネシリ [写真]=FIFA via Getty Images

 ポルトガル代表は前半終了間際に決定機。オタヴィオのロングボールを右サイドのディオゴ・ダロトが頭でつなぎ、ペナルティエリア右のB・フェルナンデスが浮き球に合わせてボレーシュートを放つ。クロスを予測していた相手GKボノの意表を突いたが、シュートはクロスバーに阻まれた。

 1点ビハインドで折り返したポルトガル代表は、51分にジョアン・カンセロとC・ロナウドを投入して勝負に出る。投入直後、左サイドに流れたC・ロナウドがクロスを送るが、これはゴールに結びつかない。

 57分、モロッコ代表にアクシデント発生。キャプテンのロマン・サイスが筋肉系トラブルでピッチに座り込み、担架に運ばれてアクラフ・ダリと交代した。

 C・ロナウド投入後から攻勢を強めるポルトガル代表は63分、B・フェルナンデスが鋭いミドルシュートを放つが、わずかに枠の上。その後もポルトガル代表が押し込む時間は続くものの、途中から5バックに変えたモロッコ代表の分厚い壁を崩すことはできない。

 82分には相手のクリアミスを拾ったリカルド・オルタが折り返し、ボックス中央のC・ロナウドがワンタッチで落とす。飛び込んだJ・フェリックスが左足で巻いてゴールを狙ったが、相手GKボノのファインセーブに阻まれた。さらに後半アディショナルタイム1分、スルーパスに抜け出したC・ロナウドがペナルティエリア内で右足を振り抜くが、これにも相手GKボノが立ちはだかる。

 すると後半アディショナルタイム3分、モロッコ代表はワリード・シェディラが2枚目のイエローカードを受け取り、残り時間を10人で戦うことになった。パワープレーを仕掛けてくる相手の猛攻に耐えながら、後半アディショナルタイム6分にはカウンターで絶好機到来。相手DFの背後に抜け出したザカリア・アブクラルが相手GKディオゴ・ダロトとの一対一を迎えたが、シュートは防がれて追加点とはならない。

 ポルトガル代表は最後まで1点が遠く、0-1で敗戦。モロッコ代表がアフリカ勢初となるベスト4進出を果たし、ポルトガル代表の夢は潰えた。準決勝は14日に行われ、モロッコ代表はイングランド代表vsフランス代表の勝者と対戦する。

【スコア】
モロッコ代表 1-0 ポルトガル代表

【得点者】
1-0 42分 ユセフ・エン・ネシリ(モロッコ代表)

【スターティングメンバー】
モロッコ代表(4-3-3)
ボノ;ハキミ、サイス(57分 ダリ)、エル・ヤミク、アティヤット・アッラー;アムラバト、ウナヒ、アマラー(65分 シェディラ);ツィエク(82分 アブクラル)、エン・ネシリ(65分 バヌン)、ブファル(82分 ジャブラーヌ)

ポルトガル代表(4-3-3)
ディオゴ・コスタ;ダロト(79分 オルタ)、ペペ、ルベン・ディアス、ゲレイロ(51分 カンセロ);ネヴェス(51分 クリスティアーノ・ロナウド)、オタヴィオ(69分 ヴィティーニャ)、ブルーノ・フェルナンデス;ベルナルド・シルヴァ、ゴンサロ・ラモス(69分 レオン)、フェリックス

【ゴール動画】“空飛ぶモロッコ人”エン・ネシリが先制点