エン・ネシリのヘッド弾炸裂でモロッコが先制

MATCH 60 準々決勝
2022年12月10日 18:00キックオフ(会場:アル・トゥマーマ・スタジアム)
モロッコ 1-0 ポルトガル

大会最小1失点の強靭な守備を武器に、スペインをも倒し初のベスト8まで上がってきたモロッコは、最注目チームのひとつとなっている。スペインと同じ半島のポルトガルはモロッコ自慢の守備を破れるのか、注目が集まった。

スイス戦でハットトリックのラモスを最前線に起用してきたポルトガルは、積極的なプレスで高い位置からボールを奪いにかかる。5分にはフリーキックからフェリックスがヘディングで合わせ、さっそくモロッコのゴールを脅かしたが、GKブヌは今日も好セーブを見せる。

モロッコはサポーターの大声援を背に、ポルトガルの攻撃を受ける形にはなりながらもペースは握らせない。アムラバトのボール奪取などからカウンターを狙い、セットプレイが取れればチャンスとなる。26分にもフリーキックをエン・ネシリが頭で合わせてゴールを狙った。

ポルトガルはしだいに攻撃が繋がらなくなってゆく。31分、フェリックスがロングボールのこぼれ球を拾ってシュートするが、これも体を張ってモロッコ守備陣がブロック。39分にもフェリックスがゴール正面からワンタッチでシュートするが、枠を外れていった。

そして42分、モロッコがゲームを動かす。左サイドからのクロスに、まるで飛んでいるかのような驚くほどの高い打点でエン・ネシリが合わせ、先制点を奪取。ポルトガルはB・フェルナンデスのキックがクロスバーを直撃するなど得点機は迎えるもののスコアは動かず、モロッコが1-0とリードを得てハーフタイムを迎える。

[W杯マッチ60]モロッコ旋風はポルトガルをも飲み込んだ! “空飛ぶヘッド弾”&無失点守備でアフリカ勢初の4強進出
ポルトガル攻撃陣も、守護神ブヌを破ることはできなかった photo/Getty Images

C・ロナウドも大会を去ることに

ポルトガルは後半に入った50分、またしてもセットプレイからピンチを迎える。エルヤミクがゴール前に飛び込み、頭をかすめたヘディングシュートはなんとかコスタが防いだが、ペースを握れていないのは明らかだった。51分にはカンセロ、そして今大会が最後と目されるクリスティアーノ・ロナウドをピッチに送り込み、前掛かりなシステムに変更。得点を奪いにかかる。

57分にはモロッコ守備陣にアクシデントが発生。キャプテンのCBサイスが負傷交代し、ポルトガルは一気に攻勢を強めていった。ロナウドを加え前線が2枚となったポルトガルに対し、マークを固めたモロッコだが、しだいにPA周辺にはスペースができはじめる。65分にはフェルナンデスのきわどいミドルシュートがクロスバーの上ギリギリを飛んでいった。

スペースを消すような5バックへの守備的なシステム交代を行い、逃げ切ろうとするモロッコ。対するポルトガルはレオン、ビティーニャと攻撃的なカードを切っていく。

それでも徹底的にスペースを消し、ブヌがファインセーブを見せるモロッコの守備を、ポルトガルは崩すことができない。アディショナルタイムに入るとロナウドがスルーパスに抜け出してシュートを放つが、これもブヌに阻まれる。ぺぺ、ディアスらCBも攻撃参加してポルトガルが猛攻を見せるなか、モロッコはシェデイラがイエローカードを立て続けに2枚提示され10人となってしまった。

1点でも返せば状況が大きく変わるポルトガルだったがゴールは遠く、AT7分のぺぺのヘディングも枠を捉えない。タイムアップの笛が鳴り、モロッコはアフリカ勢初のベスト4へ進出。C・ロナウドは涙を見せ、ワールドカップを掴めぬまま大会を去ることになった。

[W杯マッチ60]モロッコ旋風はポルトガルをも飲み込んだ! “空飛ぶヘッド弾”&無失点守備でアフリカ勢初の4強進出
後半途中から登場したロナウドも力及ばず。今大会で彼も最後となってしまうのか photo/Getty Images

[スコア]
モロッコ 1-0 ポルトガル

[得点者]
モロッコ
42分 ユセフ・エン・ネシリ

ポルトガル



[ポゼッション]
モロッコ 22% ポルトガル 60% 中立18%

[シュート数]
モロッコ 9 ポルトガル 11

[枠内シュート
モロッコ 3 ポルトガル 3

[イエローカード]
モロッコ 3枚
アクラフ・ダリ
ワリド・シェデイラ×2

ポルトガル 1枚
ビティーニャ


[レッドカード]
モロッコ 1枚
ワリド・シェデイラ


[ラインナップ]
モロッコ
フォーメーション:[4-3-3]

監督:ワリド・レグラギ

GK
ヤシン・ブヌ(セビージャ)
 
DF
アクラフ・ハキミ(パリ・サンジェルマン/フランス)
ロマン・サイス(ベシクタシュ/トルコ)
ジャワド・エルヤミク(バジャドリード/スペイン)
ヤヒア・アティヤトアラー(ウィダード)

 
MF
ソフィアン・アムラバト(フィオレンティーナ/イタリア)
アゼディン・ウナイ(アンジェ/フランス)
セリム・アマラ(スタンダール・リエージュ/ベルギー)


FW
ハキム・ツィエク(チェルシー/イングランド)
ユセフ・エン・ネシリ(セビージャ)
ソフィアン・ブファル(アンジェ/フランス)
 
交代出場
57分 ロマン・サイス→アクラフ・ダリ(スタッド・ブレスト/フランス)
65分 ユセフ・エン・ネシリ→バドル・バヌン(カタールSC/カタール)
65分 セリム・アマラ→ワリド・シェデイラ(バーリ/イタリア)
82分 ハキム・ツィエク→ザカリア・アブクラル(トゥールーズ/フランス)
82分 ソフィアン・ブファル→ヤフヤ・ジャブラヌ(ウィダード)

ポルトガル
フォーメーション:[4-3-3]
 
監督:フェルナンド・サントス
 
GK
ディオゴ・コスタ(ポルト)
 
DF
ラファエル・ゲレイロ(ドルトムント/ドイツ)
ルベン・ディアス(マンチェスター・シティ/イングランド)
ぺぺ(ポルト)
ディオゴ・ダロト(マンチェスター・ユナイテッド/イングランド)


MF
ルベン・ネベス(ウォルバーハンプトン/イングランド)
ベルナルド・シウバ(マンチェスター・シティ/イングランド)
オタビオ(ポルト)

FW
ブルーノ・フェルナンデス(マンチェスター・ユナイテッド/イングランド)
ジョアン・フェリックス(アトレティコ・マドリード/スペイン)
ゴンサロ・ラモス(ベンフィカ)

 
交代出場
51分 ルベン・ネベス→クリスティアーノ・ロナウド(無所属)
51分 ラファエル・ゲレイロ→ジョアン・カンセロ(マンチェスター・シティ/イングランド)
69分 ゴンサロ・ラモス→ラファエル・レオン(ACミラン/イタリア)
69分 オタビオ→ビティーニャ(パリ・サンジェルマン/フランス)
79分 ディオゴ・ダロト→リカルド・オルタ(ブラガ)