DFテオ・エルナンデスのジャンピングボレー弾で先制、後半にも加点し貫禄勝ち

 前回王者が連覇への挑戦権を獲得した。現地時間12月14日のカタール・ワールドカップ(W杯)の準決勝、フランス代表とモロッコ代表の一戦は2-0でフランスが勝利を収め、2大会連続の決勝進出を果たした。

 2018年ロシアW杯を制したフランスと、クロアチア代表とベルギー代表と同組だったところから決勝トーナメントへ1位通過し、スペイン代表とポルトガル代表を破ってアフリカ勢として史上初の4強入りを果たす今大会のサプライズを起こしているモロッコの対戦だった。

 5バックでスタートした立ち上がりにボールを持ったモロッコに対し、フランスはボールを奪って縦に速く攻撃。MFアントワーヌ・グリーズマンの抜け出しからFWキリアン・ムバッペのシュートにつなげると、こぼれ球をDFテオ・エルナンデスがジャンピングボレーで叩いた。これがゴールに吸い込まれ、わずか5分でフランスがリードを奪った。

 フランスはその後もFWオリビエ・ジルーに2回の決定機があったが、いずれもシュートは際どく枠外に飛んで決めれらず。モロッコは主将のDFモハメド・サイスが抱えていた負傷によりプレー続行不可能という判断で交代のアクシデント。4バックに変更してボールを持つ時間が長くなり、前半終了間際にDFジャワド・エル・ヤミクがコーナーキックのこぼれ球をオーバーヘッドで狙うもわずかにゴールポスト直撃。フランスが1点リードのまま前半を終えた。

 後半は20分過ぎまでモロッコがかなりの時間帯でボールを持って攻め込んだが、フランスのGKウーゴ・ロリス、センターバックのDFラファエル・ヴァラン、DFイブラヒム・コナテが最後の砦として立ちはだかって同点ゴールが生まれず。フランスのディディエ・デシャン監督は、後半20分でジルーに代えてFWマルクス・テュラムを投入して左サイドに配置し、FWキリアン・ムバッペを中央に回して左サイドの守備を強化した。

 その時間帯からフランスが逆襲に出る回数が増えた。すると後半34分、中盤のボール奪取から最後はテュラム、ムバッペとボールがつながり、ムバッペのシュートがこぼれたところに交代出場直後のFWランダル・コロ・ムアニが押し込んで2-0として試合を決定付けた。

 1934年と38年のイタリア代表、1958年と62年のブラジル代表に次ぐ史上3例目のW杯連覇を狙うフランスは、決勝戦でアルゼンチン代表と対戦する。また、モロッコは3位決定戦でクロアチア代表と戦う。(FOOTBALL ZONE編集部)