【試合展望】メッシは最後のW杯で気概、フランスは体調不良が続出の報道もあるが…

 カタール・ワールドカップ(W杯)も残すは決勝戦のみ。現地時間12月18日に、アルゼンチン代表とフランス代表が対戦する。いずれも2回ずつの優勝経験を持つ強豪同士の対戦は、FWリオネル・メッシとFWキリアン・ムバッペの得点王レースも注目される一戦で世界の頂点が決まる。

■アルゼンチン(グループC・1位)×フランス(グループD・1位)
決勝
キックオフ:現地時間12月18日18時(日本時間19日0時)
放送・配信:NHK、ABEMA
注目選手:リオネル・メッシ、エンソ・フェルナンデス(アルゼンチン)キリアン・ムバッペ、アントワーヌ・グリーズマン(フランス)

 両者はW杯でこれが4回目の対戦になる。第1回となった1930年ウルグアイW杯とアルゼンチンが自国開催で優勝した1978年W杯ではアルゼンチンが勝利しているが、前回ロシアW杯は決勝トーナメント1回戦で対戦し、4-3と点の取り合いをフランスが制して勢いに乗った。国際親善試合なども含めても2010年以降の対戦は前回大会のみなのは意外なところだ。

 アルゼンチンは初戦のサウジアラビア代表との試合に1-2と不覚を取ったが、そこから立て直して5連勝でここまで到達した。もともと今大会に向けて国際Aマッチ36試合無敗で入ってきたことからも、リオネル・スカローニ監督による近年のチーム作りの成功は実績が示している。メッシはここまで5得点しているが、FWフリアン・アルバレスも4得点。スカローニ監督は相手のシステムや戦術に対応しながらチームの機能性を高めてきたが、最終的にはこの2人がゴール前で仕事をしている。そして、MFエンソ・フェルナンデスやMFロドリゴ・デ・パウルからのボールが届くかがカギになるだろう。

 メッシはこれが5大会連続出場にして、最後のW杯と公言している。アルゼンチンは前述の1978年自国開催はFWマリオ・ケンペス、1986年メキシコW杯は故ディエゴ・マラドーナ氏がヒーローに君臨して世界一を勝ち取った。特にメッシがマラドーナ氏と肩を並べられるのかどうかは注目ポイントだ。

 フランスはターンオーバー起用した第3戦のチュニジア戦で不覚を取ったものの、延長戦にもつれ込むことなく90分のゲームだけで勝ち上がってきた。しかし、アルゼンチンよりも準備期間が1日少なくチーム内に病気で体調を崩している選手が続出という報道もある。まずはメンバー選考に制約がないことを願いたい。アルゼンチンと同様にフランスはムバッペが5得点でFWオリビエ・ジルーが4得点とゴールに絡んでいる選手がハッキリしている。その過程では、MFアントワーヌ・グリーズマンのインテリジェンスあふれるプレーが見逃せない。フランス連覇のカギは、グリーズマンやジルーの絡む攻撃と、ムバッペの個の力がどう融合するかだろう。

 W杯の連覇は1934年と38年のイタリア代表、1958年と1962年のブラジル代表しか例がない。史上3カ国目の快挙に挑むフランスの初優勝も、アルゼンチン同様に自国開催の1998年W杯だった。当時はジネディーヌ・ジダンが絶対的なチームの中心に君臨し、現監督のディディエ・デシャンが中盤の底でバランスを取っていた。(FOOTBALL ZONE編集部)