カタール・ワールドカップ(W杯)決勝のアルゼンチン代表vsフランス代表が18日にルサイル・アイコニック・スタジアムで行われ、3-3で120分の戦いが終了。その後、PK戦を4-2で制したアルゼンチンが36年ぶり3度目の優勝を果たした。超WSの選手採点結果と寸評は以下の通り。

▽アルゼンチン代表採点

レーティング:アルゼンチン代表 3-3(PK:4-2) フランス代表《カタールW杯》
(C)CWS Brains,LTD.

GK
23 エミリアーノ・マルティネス 7.0
3失点共に反応していたが、ムバッペのフィニッシュをほめるべき。後半半ば以降に仕事機会が格段に増えた中で集中した見事なゴールキーピングを見せた。そして、オランダ戦同様にPK戦でチームを頂きに導く

DF
26 モリーナ 5.5
前半はチームと共に安定した守備でムバッペらに応対。しかし、後半はテュラムとのマッチアップで苦戦。2失点目の場面ではムバッペに完全に振り切られた

(→モンティエル 5.5)
不運な形ながらも土壇場のPK献上に。それでも、PK戦では最後のキッカーとしてチームにトロフィーをもたらした

13 ロメロ 6.5
持ち味の機動力を生かした潰しで相手攻撃陣に応対。魔の2分間を除き攻守両面で安定したパフォーマンスを披露。終盤は圧巻のムバッペに後手を踏んだが、味方との連携で耐える

19 オタメンディ 6.5
チーム全体の守備プランが嵌ったこともあり、ディフェンスラインをオーガナイズしながら狙いを持った潰しを見せた。ただ、コロ・ムアニのスピードに振り切られてPK献上

3 タグリアフィコ 6.5
アクーニャのコンディション問題を受けて急遽スタメン起用に。戦前は守備面で不安視されたが、その予想を裏切るソリッドな対応を継続。繋ぎや攻撃の質も言うことなし

(→ディバラ -)
今大会で出番は限られたが、PK要員としての役割を見事に完遂し優勝に貢献

MF
7 デ・パウル 7.0
中盤のダイナモとして圧巻の輝き。守備ではメッシのカバーに加え、エンソ・フェルナンデスを絶妙にサポート。攻撃では持ち味のキープ力やダイレクトプレーで違いを生んだ

(→パレデス 5.5)
投入直後から気迫のこもったプレーをみせ、PKも成功

24 エンソ・フェルナンデス 7.0
主力メンバーで最年少の21歳MF。攻撃では立ち位置の妙でうまくボールを引き出して的確な捌きをみせ、守備ではデ・パウルとマク・アリスターと共に相手中盤とのデュエルで優勢に。プレー判断はほぼ完ぺきだった

20 マク・アリスター 7.0
ディ・マリアの2点目をアシスト。それ以上に相手キーマンのグリーズマンを封じる守備、攻守両面でのマルチタスクを完遂した流れの中での仕事が素晴らしかった

(→ペッゼッラ -)

FW
10 メッシ 8.0
W杯最多出場と最多出場時間記録を樹立。見事な2ゴールにPK戦でも先陣を切り、自らの力で悲願達成

9 アルバレス 6.5
2点目の起点を担うなど、攻撃では利他的なプレーで周囲を見事に生かした。守備では今大会を通じた献身性と狡猾さを兼ね備えた高強度の守備で1.5人分の働きを見せた

(→ラウタロ・マルティネス 5.5)
決定機を決め切れずにヒーローとはなれなかったが、チーム3点目に関与

11 ディ・マリア 7.0
負傷明けで4試合ぶりの先発復帰。北京五輪、コパ・アメリカ2021に続く決勝でのゴールを記録。PK奪取を含め改めてビッグマッチでの勝負強さを発揮

(→アクーニャ 5.5)
コンディションの問題でタグリアフィコに先発を譲った中でクローザーとしてプレー。プロフェッショナルファウルなどベテランらしい狡猾さを見せた

監督
スカローニ 7.0
ムバッペの脅威に晒されて120分の戦いで勝ち切れずも、クロアチア戦に続く見事なゲームプランを準備して優勝に導く

▽フランス代表採点
レーティング:アルゼンチン代表 3-3(PK:4-2) フランス代表《カタールW杯》
(C)CWS Brains,LTD.

GK
1 ロリス 6.0
3失点共にノーチャンス。守勢の時間帯に的確な飛び出しや好セーブで望みを繋ぎ、追いついた後も再三のビッグセーブでチームを救った。ただ、PK戦では主役とはなれず

DF
5 クンデ 5.5
デンベレの不出来の影響もあって前半はディ・マリアに苦戦。ディ・マリアの交代と共に後半は守備だけでなくより高い位置で攻撃に関与

(→ディザジ -)

4 ヴァラン 5.5
体調不良からの復帰という影響もありマイボール時のミスが目立った。守備では前半苦戦も後半半ば以降はしっかりと持ち直したが、無念の延長戦での交代に

(→コナテ -)

18 ウパメカノ 6.0
体調不良からの復帰や試合勘の問題もあり攻守に厳しい出来に。それでも、チームと共に後半終盤以降は立て直して延長に圧巻のシュートブロックも見せた

22 テオ・エルナンデス 5.0
連戦の疲労に軽傷を抱えてのプレー。判断ミスやフィジカル面で無理が効かず。攻守に精彩を欠いた

(→カマヴィンガ 6.0)
チュニジア戦に続く左サイドバック起用となった中、守備ではうまく相手の攻撃に蓋をしながら推進力も発揮

MF
7 グリーズマン 5.5
チームの機能不全の煽りを受けてうまく相手に消された。何とかボールを引き出して起点役になろうとしたが、マク・アリスターやエンソ・フェルナンデスの監視をかいくぐれなかった

(→コマン 6.0)
良いボール奪取から2点目の起点に。持ち味の仕掛けから右サイドで起点になったが、PK戦では無念の失敗に

8 チュアメニ 6.0
中盤では周りの問題もあって配球やボールの受け方に課題はあったが、120分を通してよく戦った。PK失敗は決して責められない

14 ラビオ 5.5
体調不良の影響大きく後半途中まではかなり精彩を欠いたが、以降は脳震とうの疑いで交代するまで持ち直した

(→フォファナ 5.5)
フィジカル面で優位性をもたらす

FW
11 デンベレ 4.5
微妙な判定ながらもディ・マリアとの駆け引きに敗れて痛恨のPK献上。決勝の空気に呑まれたか、肝心の攻撃でも覇気なく対面のタグリアフィコらに完璧に封じられ、前半終盤の交代に

(→コロ・ムアニ 6.5)
延長後半終盤の決定機を逸したが、値千金のPK奪取を含めてゲームチェンジャーとして見事に機能

9 ジルー 5.5
攻撃では良い形でボールを受ける機会が皆無で完全に孤立。練習中の打撲の影響や守備時の機動力の問題か、デンベレと共に屈辱の前半終盤の交代に

(→テュラム 6.5)
ムバッペの2点目をアシスト。コロ・ムアニと共にフィジカル勝負でチームに優位性をもたらした

10 ムバッペ 8.0
1966年のジェフ・ハースト氏以来の決勝でのハットトリック達成。連覇を逃したが、23歳にしてW杯決勝最多得点者(4点)に

監督
デシャン 5.0
大会終盤にチームを襲ったウイルスの問題も影響したが、ムバッペの個人技がなければ完敗の可能性もあった。偏ったメンバー構成も響いたか…

★超WS選定マン・オブ・ザ・マッチ!
メッシ&ムバッペ(アルゼンチン/フランス)
歴史に残るファイナルを演出したパリ・サンジェルマンの2選手をMOMに選出。35歳メッシの円熟味と執念感じさせる圧巻のプレー、爆発力と不屈のメンタルを示した23歳ムバッペというフットボール界の新旧フェノーメノをただただ称えたい。

アルゼンチン代表 3-3(PK:4-2) フランス代表
【アルゼンチン】
メッシ(前23[PK])
ディ・マリア(前36)
メッシ(延後4)
【フランス】
ムバッペ(後35[PK])
ムバッペ(後36)
ムバッペ(延後13[PK])