2026年へ高まる期待
アジアと世界の差は確実に縮まっている。FIFAワールドカップ・カタール大会での頑張りから、そう感じたサッカーファンも多いだろう。
日本代表はグループステージでドイツ、スペインを撃破し、韓国代表はポルトガル代表を倒してベスト16進出を決めた。オーストラリア代表も前評判を覆してベスト16入りを決め、ベスト16でもアルゼンチン相手に最後まで喰らいついた。アジア勢がグループステージで全滅するとの予想もあったはずだが、それは見事に裏切られた。
FIFA公式もアジア勢の奮闘、日本の成長に関してこう総括している。
「日本、韓国、オーストラリアの成功はアジアのチーム全体を前進させた。今大会でアジアから3チームがグループを突破した結果を見ると、世界とアジアの差は縮まっているように見える。日本の場合は数人の選手が欧州でプレイしており、カタール大会のメンバーのうち8人はブンデスリーガで活躍している。堂安や鎌田といった選手もステップアップしており、本田圭佑や香川真司のようなスター不在を感じさせなかった」
アジアだけでなく、ベスト4に入ったモロッコ代表はアフリカ勢の可能性も感じさせてくれた。ファイナルのカードは欧州のフランスVS南米のアルゼンチンとなり、まだ完全に差が埋まったわけではない。しかし、アジア勢もアフリカ勢も一発勝負ならば欧州や南米の強豪を苦しめるところまではきている。
欧州と南米の二強構図が崩れれば、FIFAワールドカップは更なる世界的盛り上がりを見せるに違いない。出場国が48に増加する4年後の2026年大会へ楽しみは増しており、アジアやアフリカの出場枠が増えるのも無意味ということはない。さらなる番狂わせも起きるだろう。
日本は次こそ史上初のベスト8を目指して戦うことになるが、今大会でインパクトを残した堂安律や三笘薫、板倉滉といった選手たちが4年でどこまで伸びるのか。早くも4年後の戦いが待ち切れない。