若手がチームを押し上げた

11月下旬からスタートしたFIFAワールドカップ・カタール大会も終わりを迎えた。決勝は大会前から優勝候補筆頭だったフランスとアルゼンチンがぶつかり、アルゼンチンがPK戦の末、フランスを退けた。

アルゼンチンがW杯を制すのは、1986年以来のことだ。その後2度決勝に進んでいるが、敗れており、3度目の正直で優勝を勝ち取った。35歳となったリオネル・メッシは5度目のW杯挑戦で優勝を掴んでいる。

このアルゼンチンの優勝を大会前に予想していた人物がいる。それがマンチェスター・シティの指揮官であるジョゼップ・グアルディオラだ。

英『ESPN』ではペップがアルゼンチンの優勝を予想していたとフリアン・アルバレスが話している。シティのチームメイトはポルトガルやフランスといった欧州チームの名前を挙げていたようだが、ペップは違ったようだ。

アルゼンチンが優勝した理由は様々だが、カタールで台頭した若手の存在が大きいように思う。それがアルバレスとエンソ・フェルナンデスだ。リーベル・プレート出身の若手2人は今季から欧州に挑戦している。アルバレスはポジションを争うライバルがアーリング・ハーランドということもあって継続した出場機会が得られていないが、E・フェルナンデスはベンフィカで、ここまですでに13試合に出場している。

敗れたサウジアラビア戦で、この2人はベンチスタートだった。だが、アルバレスがラウタロ・マルティネスからポジションを奪ったように、E・フェルナンデスも出場機会を増やし、最終的に決勝での先発の座を掴んだ。アルバレスは75回のスプリントと最前線から走力を生かしてチームに貢献しており、E・フェルナンデスは10回のタックルを成功させた。

後半や延長では押される時間もあったが、前半はフランスを完封することに成功したアルゼンチン。既存選手にプラスして若手が開花したことが、今大会の勝因の一つといえる(データは『SofaScore』『FIFA.com』より)。