29日間にわたって全64試合が行われたFIFA ワールドカップ カタール 2022は、アルゼンチン代表が36年ぶり3度目の優勝で幕を閉じた。今回も大会を彩るスーパーゴールの数々が飛び出した。全172ゴールの中から、特に印象的だった5つのスーパーゴールを紹介していこう。

【映像】超絶ミドルに芸術ボレーなど永久保存版のスーパーゴール集

アルゼンチンの無敗記録を止めたスーパーミドル

 最初に紹介するのは、サウジアラビアのナセル・アルドサリが叩き込んだミドルシュートだ。

 グループC第1節アルゼンチン戦の53分、ボックス左で3人に囲まれながらもドリブルで突破したナセル・アルドサリは、深い切り返しからマイナス方向にボールを運ぶ。相手DFとの間合いを作り出して右足を振り抜くと、豪快な一発は緩やかに曲がりながらゴールの右サイドネットを揺らした。

 このゴールでサウジアラビアは、アジア勢で初となるワールドカップでアルゼンチンに勝利。さらにアルゼンチンが2019年から続けてきた無敗記録を36で止めるなど、今大会最大の下剋上を達成している。

何度でも繰り返し見たい!ワールドカップで生まれた永久保存版級のスーパーゴール5つ

無敵艦隊の若き心臓が放った芸術的アウトサイドボレー

 次に紹介するのは、スペイン代表の“若き心臓”ガビが放った、芸術的な右足アウトサイドボレー弾だ。

 グループE第1節でコスタリカ代表と対戦したスペイン代表は、前半からゴールラッシュとなる。4-0とリードして迎えた74分、左サイドに流れたモラタが入れたクロスボールにガビが反応。対空時間の長いクロスボールを見据えて落下点に入ると、右足のアウトサイドでダイレクトボレーを放った。芸術的な一撃に、名手ケイロル・ナバスは一歩も反応できず。創造性溢れる美しいボレー弾となった。

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「あそこは俺のコース」スペイン撃破に導いた超絶カットイン弾

 3つ目は、日本代表MF堂安律が決めた超絶カットイン弾だ。

 グループE第3節でスペイン代表と対戦した日本代表は、1点を追いかける48分に待望の同点ゴールが生まれる。伊東純也が競り合い、溢れたボールを回収した堂安は、ボックス手前右から中央にカットイン。狙いすまして得意の左足を振り抜くと、ボールはゴールネットに突き刺さった。

 試合後「あそこは俺のコースなので。あそこで持てば絶対打ってやるって決めてたので。思い切って打ちました」と振り返る、狙い通りの一撃となった。

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ラストワンプレーで見せた極上のトリックプレー

 4つ目は、オランダ代表が、ラストワンプレーという最高のタイミングで結実させた極上のトリックプレー。

1-2と1点ビハインドで迎えた準々決勝・アルゼンチン戦の終盤にドラマが待っていた。後半アディショナルタイム11分、ゴール前でFKを獲得したオランダ代表は、コープマイネルスがボールの前に立つ。体格で有利なオランダ代表だけに、浮かせたボールを蹴ってくるかと思われたが、コープマイネルスはグラウンダーの速いボールを選択。すると、壁の中に構えていたウェクホルストがうまく反転して前を向くと、そのままゴールに蹴り込んだ。

 直後に試合終了のホイッスルが吹かれて、オランダ代表が土壇場で同点とした。ここしかないという最高のタイミングで決めた、今大会屈指のセットプレーだった。

何度でも繰り返し見たい!ワールドカップで生まれた永久保存版級のスーパーゴール5つ

最高到達点は278cm!身体能力お化けが見せた超高角度ヘディング弾

 最後は、モロッコ代表FWエンネシリが叩き込んだ超高角度ヘディング弾だ。

準々決勝でポルトガル代表と対戦したモロッコ代表は、ゴールレスで迎えた41分に試合を動かした。左サイドを突破したアッラーが軌道の高いクロスをエンネシリに供給。ポルトガル代表GKコスタがキャッチするかと思われたが、エンネシリが抜群のタイミングでそれを超える打点の高いヘディングシュートを決めた。

 一部ではこのエンネシリのヘディングが、最高到達点278cmを記録したと報じられている。身体能力を活かした脅威のゴールとなった。
(ABEMA/FIFA ワールドカップ カタール 2022)