監督と10番がチームを去った
そもそもの母数が多いことも関係しているが、FIFAワールドカップ・カタール大会では欧州勢のグループステージ敗退が目立った。日本がいたグループではドイツが、グループFからはロシア大会で3位の好成績を収めたベルギーが姿を消した。
「W杯は十分なものではなかった。我々はそれを受け入れ、次の機会に生かすしかない。正直にいえばクロアチア戦の後半以外はいいプレイができなかった。他の試合は良くなかったんだ」
「この2年間、私たちはトップレベルではなかった。それほど勝てていなし、しばらくいいサッカーができていない。もっと上手くやろうとしたけど、今大会ではそれができなかった」
ベルギー『Voetbalbelgie』にてマンチェスター・シティのケビン・デ・ブライネがカタールでの戦いを振り返っている。結果と同じように中の選手も難しいと感じていたようだ。それでもデ・ブライネが語るようにグループステージ最終戦クロアチア戦の後半は悪くなかった。選手も動けており、カウンターの応酬で見ている側も面白かった。ベルギーが国際舞台で好成績を残していたスピーディなサッカーが展開されていた。
ベルギー代表の指揮官を長く務めたロベルト・マルティネス監督が退任し、10番を背負って戦ったエデン・アザールが代表引退を発表した。これまで核となっていた人物が2人チームから離れることになる。
ベルギーは新時代を迎えることになる。黄金世代は30代に突入しているが、デ・ブライネとティボー・クルトワの2人はまだまだ最前線で戦える。レアンドロ・トロサールやフェレイラ・カラスコのような中堅世代は所属クラブでハイパフォーマンスを披露しており、ヴァウト・ファエスのような新世代は続々と登場してきている。未だベルギーの新監督は決まっていないが、その人物が育成に長けたコーチなら再びベルギーは国際舞台で上位に食い込むことができるといえる。