森保ジャパン、第2次政権初陣でA代表を支えてきた吉田、長友らが不在に

 森保一監督率いる日本代表(FIFAランキング20位)は、3月24日にキリンチャレンジカップでウルグアイ代表(同16位)と対戦し、1-1で引き分けた。カタール・ワールドカップ(W杯)後初めての国際親善試合では、最終ラインが一新。森保ジャパン第2次政権の初陣は、ベテラン勢のDF長友佑都やDF酒井宏樹、カタールW杯では主将を務めていたDF吉田麻也らが選出されず。今後、3年後に向けてベテランの招集は必要なのだろうか。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞)

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 カタールW杯を終えて日本が新たなスタートを切った。森保監督が引き続き指揮を執ることとなった第2次政権の初陣ウルグアイ戦では、GKシュミット・ダニエル(シント=トロイデン)、最終ラインには左から伊藤洋輝(シュツットガルト)、瀬古歩夢(グラスホッパー)、板倉滉(ボルシアMG)、菅原由勢(AZ)が入った。

ダブルボランチは、安定感ある遠藤航(シュツットガルト)、守田英正(スポルティング)。2列目もW杯後、イングランド1部ブライトンで目覚ましい活躍を遂げ、公式戦でここまで9得点5アシスト(27試合出場)と好調をキープしている三笘薫が左サイドを務め、トップ下に鎌田大地(フランクフルト)、W杯で2ゴールした堂安律が右サイドに入った。1トップは、こちらもW杯で貴重な得点でドイツ戦の勝利に導いた浅野拓磨(ボーフム)が先発を務めた。

 先発の平均年齢は25.8歳。特に最終ラインは26歳の板倉が最年長というフレッシュな顔ぶれとなった。欧州で結果を残している若手の守備陣を起用した指揮官だが、今回は短い練習期間のなかでサイドバック(SB)が中に入っていき、相手サイドハーフをつり出したなかでサイドを切り崩していくというチャレンジをしていた。板倉や菅原が「新しいトライ」と口にし、積極的になることで、守備陣の若返りが実現しつつある。

 カタールW杯では、36歳の長友や34歳の吉田、32歳の酒井らが主力だった。安定感ある最終ラインで本大会を戦い抜き、力を見せつけた。今回負傷の24歳DF冨安健洋(アーセナル)は新ディフェンスリーダーとして期待されるが、アジア最終予選などではやはりベテランの経験値が必要となる場面も見られるだろう。

 また、攻撃陣では前体制でエースナンバーの10番を背負っていた28歳のFW南野拓実(ASモナコ)が落選。ウルグアイ戦では22歳のFW中村敬斗(LASKリンツ)が短い時間ながら国際Aマッチデビューを飾った。1トップにはカタール大会で落選したFW大迫勇也(ヴィッセル神戸)らも高い経験値を誇るが、3年後のW杯では36歳になっている。ここに、来年行われるパリ五輪世代の若手も競争に加わってくる。

 森保監督は前回のカタールW杯でベテランと東京五輪世代の若手をうまく融合し、ベスト16に導いた。だが、もう1つ先の目標ベスト8入りを達成するためには、今後ベテランを招集するべきか、世代交代を推し進めるべきなのか。第2次政権ならではの決断にも注目が集まりそうだ。(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)