「自分が倒れたこと、わかってないんじゃないですかね」
 解説を務めた魔裟斗が思わずそんなコメントを漏らすほど、王者が喫したダウンは致命的なダメージをもたらした。辛うじて立ち上がった王者だが、容赦ない挑戦者の猛攻に成す術なく、ロープを背負って防戦一方になると、セコンドからタオルが投げ込まれ、レフェリーが試合をストップ。日本人としては悲願となる重量級での戴冠に会場は沸き、ネットも一時騒然となった。