将棋の観戦には欠かせないものになってきた将棋ソフト(AI)による評価。ただ、見た目の数字よりも、棋士たちは「簡単ではない」という言葉を繰り返す。時に「AI超え」という言葉でも注目された藤井聡太王位(棋聖、19)が7月21、22日に行われた王位戦七番勝負第3局で、豊島将之竜王(叡王、31)を相手に、解説の棋士から疑問の声があがる手を指した。ところが、数手後に優勢になったのは藤井王位。一体、何が起きたのか。タイトル経験もあり、名人挑戦も果たした斎藤慎太郎八段(28)は、AIで示される数字と、その裏で棋士が感じている恐ろしさについて「一手で奈落の底」という表現をした。