千両役者・近藤誠一の“演技分け”アガリ率アップへの秘策「実は昨シーズンから」試験運用中/麻雀・Mリーグ

 その打ち様、スケールの大きさから“千両役者”とも言われるセガサミーフェニックス・近藤誠一(最高位戦)が、戦いながらも試していたことがあった。2020シーズンは、あと少しというところでアガれず、なかなかポイントが伸ばせなかったが、その理由は自分のリーチに対して相手が想像以上に引いてきたこと。これでアガリ率が想定よりも下がった。これを打開するために、新たな戦い方を既に試験運用していた。個人初のMVP、さらにはチーム初優勝を目指す近藤の秘策は何か。

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――昨期は悔しいシーズンとなりました。振り返ってみて、どんな印象がありますか。

 昨期は苦しかったですね。茅森(早香)がプラスだったのがせめてもの救いですけども。その前の年に調子が良かった魚谷(侑未)、近藤が2人してマイナスなので、これは話にならないですよね。和久津(晶)もなかなか調子を上げられなかったですね。茅森以外が全体的に良くなかった。内容的にはそんなにどこが悪かったとは思っていないんですけど、言い訳がましく聞かれたくはありませんが、後から冷静に振り返っても巡り合わせがちょっと良くないのが集まってしまったと思っています。

――部分的な不調と全体的な流れと両方でしょうか。

 そうですね、1試合ごともあるし、1局1局みても、2軒リーチになった時にすぐ放銃に回るとか。個人的には、リーチをかけたときの流局率が特に高くて、テンパイ料をめちゃくちゃもらったんですよ。そもそも本来、自分が払うタイプなのに。なんでこんなにもらうんだろう、と。基本的にはリーチをかけてみんながオリちゃって、テンパイ料をもらったと思っていますけど。本来ならもう少しツモれるところなんですよ。

 オリられたら不利になるかというと決してそんなこともなくて、極端にいえば一人旅になったとも言えるじゃないですか。その間に何回かに1回ツモれて帳尻が合うはずなんですが、全然ツモれなかったので、アガリ率もすごく低かった。17%くらいだったかな。それではちょっと勝ちようがない。もともと好形高打点のスタイルなので、平均よりアガリ率はちょっと低めだと思っていますけど、それにしてもちょっと低すぎるデータになったということですね。

――前年度が大活躍だったということもあり、周りが向かってきてくれなかったという点もありましたか。

 さすがにやっぱり初年度と2年目と比べると、(TEAM雷電)黒沢咲さんなんかも似たようなところがあると思いますけど、そういう(好形高打点)タイプの人がリーチと言うと、どちらかというと攻めていいような場面でも多少引く場面が増える、というのが現実だと思っています。それが如実に結果に出るということでしょうかね。ツモれたら何の問題もないんですけど、ツモれなかったのでこういう結果になったと。その割にはちょっとマイナスくらいで済んだのでまあまあそんなにひどかったとは思っていないんですけど。何個か流局した中で2つでも3つでもツモれていると、全然違う結果になったと思います。

――今期に関して、特別何かを大きく変えるということもないですか。

 強いて言えば周りの反応がちょっと強く出ていた(リーチに対して向かってこない)。リーチが高そうだから引く、というのが思ったより強めに出た。実を言うと、昨シーズンの終わりぐらいから多少リーチを減らし気味にしてみたりしてはいるんです。そういうのを織り交ぜながらやっていけたらいいかなと。こういう状況になったらこういう風にしよう、ということです。もちろん自分を貫こうというのも、見る側とすればある種のかっこよさがあるのかもしれないですが、ある程度はやっぱり、その状況に合わせてやっていくべきところなのかなと思っています。

――2021シーズンは監督も変わり新たに選手も入りました。

 東城りおさんとは会ったことはほとんどないですね。2回会ったくらいです。麻雀は時々見ましたけどね、割とオーソドックスなイメージ。ちょっと強気寄りなので、うまく結果に繋がってくれたらいいなと。普段は礼儀正しく優しい感じのイメージですけどね。魚谷ととても仲の良い方。魚谷も気分良くできるんじゃないかなと思います。

――結果また3人娘に囲まれることになりました。

 これはもう定番、固定なんですね。慣れましたね(笑)。基本性別はあまり意識しないですね。気にしていたら絶対にやれないですね。

――今年は他チームにもいろいろな選手が入ってきました。

 気になる人は、もともと実力派として結構な年数を打っているEX風林火山の松ヶ瀬隆弥さんですね。結構強力なものがありますね。またTEAM雷電の本田朋広さんなんかも新進気鋭の打ち手。松ヶ瀬さんは結構長いですからね、海千山千で何をやってくるかわからない。一方向で見るのではなく、何が起こってもいいようにこっちも準備をして戦いたいと思います。

――個人の目標としては、またタイトルに絡むようにというところでしょうか。

 MVPが欲しいですね。チームに明らかにプラスになりますから。そこは言いやすいというか、わかりやすいところですね。ラス回避とか大トップもいいんですが、あれはなんていうのかな、ともすると、結果に繋がらないケースもあるので、ちょっと意味合いが違うのかなという気がしています。

――チームとして改めて目標をお願いします。

 シーズンを通して、チームとして良い雰囲気で戦っていけたらと思っています。負けたらやっぱり雰囲気も落ちたりするけれど、落ちていてもしょうがないので。そういう時でもグッと気持ちを入れ直して、基本は勝っても負けても次に臨む時はフラットな状態でいけるのが一番いいと思っているので、そういう雰囲気作りができたらいいなと思っています。

――チームであまり、前の試合の話とかはしないものでしょうか。

 思ったことを直後に言うことはそんなにないですね。例えば年間通して見ていて、全体的にちょっと無理な仕掛けが多いなと思ったりとか、逆にメンゼンにこだわりすぎているだとか、高打点に寄りすぎているなとか、そういうスタイル的なブレみたいなものを感じた時は言ったりすることがありますが、1試合終わった直後は、相手から聞かれたら答えるくらいですね。

 結局、麻雀っていうのは、「これが正しい」ということがない。基本的なことはありますけども、それ以外の部分というのは不確定な部分が多分にあって、だからこそいろんなスタイルの人がいる。スタイルが違うと、同じ場面でもこの人のスタイルだとこうした方がいいけど「あなたのスタイルは違うよね」っていうようなケースがあるので、一概に言えないことが多いんですよね。

 例えば選手個々のスタイルをある程度把握していても、微妙にマイナーチェンジし始める人もいるし、そのへんまで全部追えるかっていうとそれはちょっと不可能に近い。基本は「聞かれたら答えます」で、やっぱり自分自身でよく考えて、考えに考え抜いて学んだこともすごく大事なことだと思っているので、そういう意味も含めてあまり言わないです。

――あえて教えすぎないというところは、塾講師の経験も活きたものでしょうか。

 講師にもいろんな先生がいて、それぞれ長所と短所があると思いますけど、結局教えすぎると生徒は自分であまり考えなくなる。それをすごく避けたいタイプなので。教えすぎないことが教える側にとって一番大切なことだと思っています。断定的に「これはこうした方がいいよ」という言い方ではなくて、そういう考え方もあり、こういう考え方もあるよ、と。「自分だったらこうする」といういくつか例を出すことが多いですかね。もちろんそのやり方がベストなのか?と言われたらかなり疑問符が残りますけどね。結局あれこれ言うと聞く方もわかりにくくなっちゃうんですよね。

 1つスパーン!と答えを投げた方がわかりやすいのは言うまでもない。それをどっちがいいかといわれたら非常に微妙だと思っています。やっぱり長い目で見て、いろんな視点を伝えて、将来(自分の)力になってくれたらいいなと思ってやっています。
 

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