頼れる“船長”小林剛、2度目の優勝へ「今年は小林の出番が少ないといい」という真意/麻雀・Mリーグ
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 U-NEXT Pirates・小林剛(麻将連合)は、昨期レギュラーシーズンに31試合に出場、個人スコアは+337.5で3位、4着回避率は唯一の9割台となる0.9677で、タイトルを獲得した。その安定した強さは、チームから絶大な信頼を寄せられ、逆に相手にとってはこの上なく厄介な相手。ただ、当の小林は2021シーズンについて「今年は小林の出番が少ないといい」と語った。昨期、チームはリーグ7位に沈み、今期ファイナルシリーズを逃せばメンバー入れ替えが必須となる中、この言葉の真意は何か。

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――昨期は悔しいシーズンとなりました。振り返りをお願いします。

 僕だけは良い偶然が続いて、チームメイトは普通より悪い偶然が続いたなあと思っています。成績としてはすごく差が出たけど、たまたますごいラッキーだった人と、アンラッキーだった3人という感じには捉えています。内容は4人ともダメな点はたくさんあったと思います。

――「ダメな点」ということですが、具体的にはどのあたりでしたか。

 細かい点ですね。これは「オリちゃダメだったよね」とか、「鳴くの忘れたよね」とか。僕はよく鳴くように思われているんですが、結構鳴き忘れがいくつかありました。やっている最中に気づくこともありますが、気づいていないけど、後で言われて「これは鳴かなきゃダメだな」というのがありました。「切り順おかしくない?」とか、鳴きすぎ、押しすぎ、結構ありましたね。正解が見つからないゲームなので。課題は無限に増えていくと思います。

――改めてMリーグの難しさはどんなところにありますか。

 僕は団体戦とか個人戦とか、1日何ゲームとかは全然気にしない。Mリーグだからという難しさは常に見られていることぐらいです。麻雀自体はそんなに変わらずできますね。続けて打ちたいという人もいるんですが、僕は全然そんなことはなくて。長考中の顔を見られているのも気にしないですけど、絶対牌をこぼさないとか、そういう意識はあります。切り方がちょっと変なところとか、理牌が雑になってしまったとか、そういうのが全部見えてしまうので気をつけています。麻雀自体は1人で90戦打とうが、4人だろうが同じだと思っています。

――他チームでメンバー入れ替えもあった中、パイレーツは今年も同じメンバーで臨みます。

 同じメンバーで3年続けてやらせてもらえるのは、ありがたいですね。いつクビになってもおかしくないという世界でないといけないとも思っているので。とはいえ2年、3年の成績で判断されちゃうというのも、もちろん仕方ないとはいえ麻雀なんでこれぐらい許して欲しいな、みたいなところもあります。

――ルール上、今期4位以内に入らないとメンバー構成を変えないといけません。

 今のところそれを気にしてはいないですね。シーズン終盤になってどうなるか。監督の起用も難しくなると思うんですよね。

――昨期は優勝したEX風林火山が、自ら成績次第での「入れ替え」を宣言しました。

 マイナスに働いていないかなと心配でした。普通に麻雀をやっているのかなあと。そうしたらしっかり優勝された。シーズンの早い段階から「これ、変に意識してるんじゃないかな、それとも得なのかなあ」というEX風林火山の一打がありました。

――何かしら違う力学が働いているということでしょうか。

 働いているかもしれない。うちのチームがそうならないことを願っています。いつもと違うことをやり始めたらわかります。

――今期はどうやって巻き返そうと思っていますか。

 オフシーズン中も4人で集まって麻雀をやっていて、ネットを使ってでも練習をしているので、相変わらずといったら変ですが例年通り行きたいですけどね。例年との違いはなかなかわからないです。僕は長年変わらず、ですね。

――他のチームで顔ぶれが変わって気にしていることはありますか。

 全く知らない人が何人か入っている。ほぼ情報のない人が入ったので、その人たちがどんな相手だろうがちゃんと勝たなきゃいけない。伊達朱里紗さん、東城りおさん、本田朋広さんは、ほとんど知らないですね。調べなければと思うんですが、彼らが赤ありで麻雀をやっている姿は、ほとんど映像にも残っていないと思う。選ばれてから開幕までフォームを変えてくるでしょうし、始まってから様子を見てですね。「この人、こんなの打つんだ」というのをMリーグの場で見るのが一番いいと思います。

――小林さんは昨期も4着回避率がトップで、Mリーグ3年を振り返っても突出しています。

 レギュラーで80何戦かで8回。僕から見れば、みんながラスを恐れず攻めているのがやりすぎなんじゃないかと思います。出来すぎですけどね。何十年かやったら15%から20%には近づくと思います。僕はトップをあんまり増やさないということで、ラスを減らすことを重視している。ラスを減らすというより平均順位を良くする意識ですよね。トップ・ラスよりも、2着を2回取る方がプラスですから。素点と順位点、両方を稼ぐというのが他の人より違うところだと思います。他の人はトップ率のみを重視しているところがありますね。

――チームとしては2度目の優勝を目指すことになりますが、個人としての目標をお願いします。

 去年が出来すぎだったので、100ポイントくらいプラスできればいいなと(笑)。みんな+100ずつ勝てばいいんじゃないですか。チームは優勝を目指しますけども、最低でもファイナルですかね。優勝する力がないとは思っていないので。8分の1以上は優勝できるチームだと思っています。優勝確率を上げるためにいろいろやっていきます。

――レギュラーシーズンからセミファイナル、ファイナルに進むにつれて変に意識が出ないといいですね。

 そうですね、それは心配ですね。去年は小林に頼りきりだったところがあると思うので、今年は小林の出番が少ないといいですね(笑)。去年はレギュラーシーズンで31回。みんな均等に20数回くらいがいいかなと思います。打ちたくないというのではなくて、今年は均等に誰を出してもいいよというチームになるのがいいと思います。
 

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