ひろゆき氏、大学は「卒業証書を買いに行くところ」コロナ禍で激変…オンライン授業にサークル危機 それでも大学は必要?
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 「せっかく大学に入ったのに満足に勉強ができない……」

 友達作りもままならず、長引くコロナ禍で不安や孤独を感じている大学生は決して少なくない。立命館大学2年生の原いこいさんは「今の大学生活に100%は満足できていない。『休学したい、辞めたい』と思うことは何度かあった」と話す。

【映像】ひろゆき氏「友達ができないなら…」今、孤独を感じている大学生へ(番組終盤〜)

 2020年4月、立命館大学に入学した原さん。入学式は早々に中止となり、大学は休校。憧れのキャンパスライフは不安と孤独に包まれたスタートだった。その後、オンライン授業を経て、現在は対面授業が7割まで回復。しかし、今も原さんは環境に不十分さを感じているという。

「オンライン授業にも限界があって、グループワークなどもできないので、対面授業と比べると深い学びができていないように思います。大学生になったら『留学に行きたい』と思っていましたが、今はその気持ちすらなくなってしまいました。今、一番困っていることは友達との距離感です。オンライン授業で同じ授業になった人も顔しか知らない。リアルに実在するのかなって……」

 原さんの心は次第に追いやられ、一時は精神科に通院。今も大学でカウンセリングを受けている。

 満喫できないキャンパスライフ。全国大学生活協同組合が実施した「学生生活実態調査」によるとこれまで8割を超えていたサークル加入率も、2020年は一気に4割台にまで減少。新入生の半数以上が入らないばかりか、対面での活動なども厳しく制限され、サークル数自体も減少しているという。

 授業のオンライン化、サークル数の減少……大学は本当に必要なのだろうか。ニュース番組『ABEMA Prime』では「コロナ禍で奪われた大学生活」を特集した。

 早稲田大学4年生の今野泰齊さんは、先週開催された早稲田大学の学園祭「早稲田祭」の恒例行事「夢叫び」で、やり場のない悔しさを胸に心の叫びを上げていた。

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 「僕は先天性二分脊椎症という脊椎の病気で、僕の場合はひざ下の運動麻痺があって足を思うように動かすことができないんです。いままで小さい頃から何度も手術してきました」と話す今野さん。

 先天性二分脊椎症は、脊椎の形成不全により様々な神経障がいが生じる病気だ。そんな病と戦いながら、夢だった早稲田大学に入学。何事も積極的に取り組み、充実したキャンパスライフを送っていた矢先、新型コロナが猛威を振るい始めた。

 キャンパスライフについて、今野さんは「1〜2年生がオンライン授業でかわいそうというのもあるが、4年生はコロナ前の時代を知っているので、憧れがあったまま年を重ねてきた。いざ自分が4年生になったときにオンラインになってしまった。そこの分断、心苦しさみたいなのはあった。1〜2年生のほうがうまくやっているなという気もする」と話す。

 また、サークルについて「大きなサークルだと必然と人は集まってくる。例えば、小さいサークルだとやっぱり新歓(新入生歓迎会)をしてなんぼで、新入生がゼロで本当は引退するはずだった3年生の子がまだ4年生になっても幹事長をやっているようなケースもある。サークルの文化の継承という点でも影響を受けている」という。

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 そもそも、キャンパスライフにサークルは必要なのだろうか。東京大学教授で社会学者の吉見俊哉氏は「サークルがあったほうがいいのは当たり前」と話す。

「私は、70年代の東大の駒場キャンパスで演劇をやっていた。駒場寮の裏に寮食堂北ホールという、倉庫みたいなところがあって、そこが芝居小屋みたいになっていた。ここから俳優の野田秀樹さんも(世に)出ていった。教室の中にいるよりも、芝居小屋で稽古したり舞台装置作ったり、そういう時間を過ごして、それが自分の人生を変えた。当時僕は理系で、理科一類というところにいたが、人生が変わった。都市のことを考えたい。なぜならば都市が演劇に近いから。都市の中で演劇のことを考えようと思って文転して文系に移った。そういうことがよくある。大学は教室の中にだけあるわけではない。私が演劇と出会ってなければ今の自分はないと思う」

 一方で、ネット掲示板『2ちゃんねる』創設者のひろゆき氏は「サークルの歴史があって文化があるのって早稲田大学ぐらいだ。他の大学サークルは大した文化もない」と主張。「吉見さんの時代はそうだったと思う」と肯定した上で「今の時代は演劇をやりたかったら大学の中だけじゃなくて普通に社会人サークルに入ってできる。むしろ大学の中で探さなくていい。大学入ってない人も演劇ができるので、オンラインでやってる集団に入ればいい。大学にこだわる必要はない」とコメント。「大学の演劇サークルが要らないという話ではなく、演劇サークルを無理して残す必要はない。やりたい人がいるなら残ればいいし、やりたい人がいなくて崩壊するならなくなっていいと思う」と見解を述べた。

 これに吉見氏は「大学にこだわる必要はないことには賛成だ。ただ、そうすると、大学の役割がだんだん小さくなっていく。大学の教室の外でできることは街中でできる。じゃあ大学いらないじゃんとなってしまう。だが、大学の立場から言うと、じゃあ大学に何ができるのか。大学は教室の中だけでは絶対成り立たないと思う。だったら、もっと違うものが何か必要。大学とは何かと考えると、今でも自分と違う人間たちの“溜まり場”だと思う」と意見。

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 実際に大学生の今野さんは、大学に入るメリットについて「就職活動だと、先輩の人の話を聞けたり、授業だと横のつながりで何かいいきっかけがあったりする。つながりを大事にしている人はいると思う」とコメント。また、サークルの意義について「コロナ禍でサークルに入りそびれた子の孤独感はけっこう強いと思う。授業がオンラインだと、友達の作り方が分からない。学校に行って会って友達を作るということしかしてこなかったのに、急に『オンラインでやって』と言われても(友達が)できない。サークルに入ったら、そういう子をフォローしてくれる先輩と出会えることがある。そういったつながりができないと孤独だ」と述べた。

 吉見氏や今野さんの意見に、ひろゆき氏は「大学じゃなくてもいい」とバッサリ。

「Twitterとかネットで世代も人種も国も違う人たちとやりとりできる。ネットで知り合っても、リアルで会って友達になることは普通にある。大学じゃなくてもいいのではないか。世の中には便利なものがあって、大学に行っていなくても、友達を作って幸せに暮らしている人がたくさんいる。『サークルがないと友達を作れません』という人は、早くサークルがなくても友達を作れるようになったほうがいい。サークルがない中で友達を作る方法をみんなで学びましょう、で終わり。これでいいじゃないか。なぜそんなに大学のサークルにこだわるのか分からない」

 ひろゆき氏の意見に今野さんは「僕もサークルに意味があるかないかと言われたら、別に意味はないと思っている。でも逆に意味がなくてやらなくていいことを、大学に集まってやることで絆が生まれたり、一生の出会いができたりすることがある」と話す。

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 番組の最後には、今野さんがスタジオで「夢叫び」の生パフォーマンスを披露。叫ぶ今野さんの姿を見たひろゆき氏は「前半も今もそうだが、今野さんのメッセージを一番ちゃんと受け止められていたのは僕だと思う」と笑顔でコメント。「すげえ本気でやっているのにマスクをちゃんと直すところとか。人の良さが出ている」と感想を述べた。

 その上で、孤独を感じている全国の大学生に向けて、ひろゆき氏は「人間付き合いは大学じゃなくてもいくらでもできる」とメッセージ。「サークルに入れなくて友達ができないなら、バイト先で見つければいいし、近所の人とかと仲良くなってもいいと思う。人間付き合いは大学じゃなくてもいくらでもできるし、むしろネットでやりやすくなっている。昔に比べると孤独になりづらくなった気がしている。適当に皆さん、ネットで友達を見つけて会ったり、酒を飲んだりしてみるといいじゃないかな」と語った。

 さらに、ひろゆき氏は大学の意義について「卒業証書を買いに行くところ」と断言。「暇な時間と情熱のある人たちは、それを費やせる人生最後の機会だ。働き始めるとそんなことできない。今野さんみたいに情熱を浪費しているのは大学生らしいと思うし、安心した」と微笑んだ。(『ABEMA Prime』より)

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