
<大相撲十一月場所>◇千秋楽◇28日◇福岡・福岡国際センター
横綱・照ノ富士(伊勢ヶ濱)が6回目の優勝を果たした。両膝のけがや内臓疾患で一時は大関から序二段にまで転落した照ノ富士だったが、不屈の精神を胸に努力を続け、九月場所で新横綱として土俵に上がった。2場所連続の優勝をかけて臨んだ今場所は初日から盤石の相撲を見せて、見事無傷の15連勝を飾った。インタビューでは初めての全勝優勝に「今までできなかったことですから、できたことをうれしく思います」と素直な思いを口にした。また、15日間を通して危なげない相撲を取っていたが、「自分はそんなに才能ある力士ではない」と謙虚さを発揮する場面も。優勝インタビューの内容は以下の通り。
――2場所連続6回目の優勝。おめでとうございます。
ありがとうございます。(館内にいる四方向の観客、および画面越しの視聴者に向けお辞儀)
――四方向に向かってお辞儀をしました。どんな気持ちですか?
久しぶりの九州場所なので、開催できることをありがたく思って、土俵に上がっていました。
――福岡、九州のファンは連日のように結びの一番を楽しみにしていました。その声援は届いてましたか?
みなさんの応援のお陰で土俵に上がるとき、自信を持っていつもやれています。
――初の全勝優勝を成し遂げました。実感はわいていますか?
やっぱり今までできなかったことですから、できたこと、本当にうれしく思います。
――優勝は昨日十四日目に決めて、今日は全勝優勝をかけて大関・貴景勝(常盤山)関との一番でした。重圧はありませんでしたか?
重圧やプレッシャーは感じても仕方のないことです。土俵に上がっている以上は、自分のベストを尽くしてやり切るということしか考えていないので。
――相手は強い大関です。その大関の相撲を受け止めたように見えましたが、どんな相撲か振り返ってもらえませんか?
自分はそんなに才能ある力士ではないので、いろんなことができるわけではありません。一つのことを一生懸命やっているだけですね。
――その一つのこととは?
でかい体を正面でぶつけて、受け止めてやっていく。そういう感覚でずっとやっています。
――そのお言葉を聞いていると、この15日間もまさにそんな相撲が続いたように思いますが、横綱としてはどのように捉えて土俵に上がったのでしょうか?
昔からこの相撲を理想に捉えて頑張ってきたんですけど、なかなかできなかったので、ちょっとずつ理想の相撲になりつつあるのかなと思います。
――今場所は誰にも負けなかったわけですけれど、それでも理想の形には“ちょっとずつ”ということですか?
やっぱり100%になることは引退するまで、これからもないとは思います。そんな中でも、100%に近い相撲を取っていきたいと一生懸命やっています。
――一人横綱としての重圧はありませんでしたか?
土俵の上ではそんなこと気にしても仕方のないことです。しかし以前と比べて、自分の責任はあると思うし、これからもいろんなことを勉強しながらやっていきたいと思います。

――新横綱からの連覇というのは昭和の大横綱・大鵬さん以来、およそ60年ぶりの快挙です。その記録についてはどう受け止めていますか?
一日一番という気持ちで臨んでいるのが、こういう記録に繋がっていったのかと思います。
――令和三年、優勝を4回しました。横綱にもあがりました。こういう一年になると想像していましたか?
もちろん大きい目標を立てて一生懸命努力しています。けれど、まさかこんな形になるとは夢にも思っていなかったので、一生懸命やってきて良かったと思います。
――横綱は明日が誕生日です。30歳になるんですね。
(微笑みながら)そうですね。
――30歳になる一年、どんな一年にしていきたいですか。
(再び微笑みながら)年齢のことを考えていても仕方がないので、できることをやるだけです。
――聞き方を変えて、令和四年はどんな一年にしていきたいでしょうか?
二桁優勝を目指して頑張っていきたいと思います。
――今年と同じように4回優勝すると二桁優勝になると思います。
そう簡単にいくことではないと思うので、自分なりに努力してやっていきたいと思っています。ありがとうございました。
(ABEMA/大相撲チャンネルより)


