将棋の強いおじさん、千駄ヶ谷の受け師、中年の星、おじおじ。これだけいろいろな呼ばれ方があるだけでも、木村一基九段(48)がファンに愛されている理由がわかるだろう。受け将棋の達人で、粘り強い棋風から勝利を掴み取るトップ棋士だが、盤を離れれば放送対局の解説やイベントなどで、自虐ネタも含めながらユーモアたっぷりに話す。だからいつも現場には笑いが絶えない。ところが、弟子に対しては「きついことしか言わない」から驚きだ。心優しき「おじさん」は、何を思いながら弟子を鍛えるのか。