昨年最下位から、25年ぶりにパ・リーグ制覇を果たしたオリックス・バファローズ。ABEMA『バズ!パ・リーグ』では、高卒2年目ながら開幕ローテーション入りを果たし、13勝を挙げたオリックスの宮城大弥投手にインタビューを行った。
飛躍となった2年目は、宮城投手にとってどんなシーズンだったのか。
「(開幕前は)緊張感だったり、そういうプレッシャーもたくさんありました。やっぱりやってみないとわからないっていう不安もあった中で、前半戦、本当に自分が思っている以上によく頑張ってできたなと思います」
開幕から5連勝を記録し、オリンピック明けの初戦となった8月13日には、両リーグ1番乗りとなる10勝目をマーク。しかし、「後半戦の失速がなければ……」と本人も話すように、2桁勝利を挙げて以降、8試合に登板し3勝3敗。9月に限ると0勝2敗と1勝もできず、後半戦思うように勝ち星を伸ばすことができなかった。
「少し考えすぎた部分っていうのもあったんじゃないかな。ネガティブ思考が多かったので、そこはポジティブ思考に持っていけたら、もっといい方向、いい成績が出たんじゃないかなと思います」
それでも、防御率・勝利数・勝率は、沢村賞投手となったエース・山本由伸投手に次ぐ、リーグ2位の素晴らしい成績。13勝4敗と貯金を9つ作り、オリックスの25年ぶりのリーグ制覇に大きく貢献した。
まだ、高校を卒業して2年。プロ相手に「これでやっていける!」と何かをつかんだ試合を聞いてみると、宮城投手は開幕2戦目の西武戦をあげる。
「西武戦(開幕)2戦目勝利したことで、ちょっと自分に自信が持てたっていうのは、それがきっかけなんじゃないかなと思います。初戦を由伸さんで落としちゃって、2戦目ちょっとイヤな雰囲気。僕の中でなんですけど、ちょっとイヤな雰囲気も感じながら、でもなんかいい感じに初回から投げられて、あんまり不安とかもなく投げ切れたんじゃないかなとは思います」
そしてこの試合には、19歳とは思えないマウンド上での裏話も。4回、ノーアウトランナーなしで、西武の4番・山川穂高選手を迎えた場面。2ストライクを追い込んでから5球ファールで粘られ、最後は114キロのカーブで空振り三振。しかし、ある判断があった。
「最後スライダーのサインで投げようと思った瞬間に、カーブに。僕の勝手な判断ですけど、切り替えて空振り三振取れてよかったなと」
前の打席に山川選手に打たれていたスライダー。投げる瞬間に嫌なイメージが頭の中をよぎり、急遽カーブに変えて三振を奪ったのだという。
「粘られてたんで、雰囲気とかもやっぱ打たれそうっていう思いを急に感じた部分があったので。なんでか本当わかんないんですけど、『あ、ちょっと……』って思ったのがあったので、勝手に変えてしまいました。(捕手の伏見選手からは)『何で変えた?』って言われました。『間がちょっとあって嫌な雰囲気したので、ちょっと変えました。すみません』って言ったら『そういうちゃんとした意思があるなら全然いいよ』って言ってくれたので、何かあったらどうしようかなって思います、次は(笑)」
今回は同じ高卒2年目でオリックスを支えた紅林弘太郎選手にも話を聞いたが、同期入団としてお互いを意識し合っているかについて聞くと、宮城投手は次のように語った。
「(意識することは)あいつはあまりないっす(笑)。でも、やっぱあの変な奴には負けたくないです。負けたくないというか、差をつけたいと思っています」
(ABEMA『バズ!パ・リーグ』)