王者ノバク・ジョコビッチが欠場し、この『ATPカップ』を戦う最強選手は世界ランク2位で昨年の全米オープ覇者でもあるダニール・メドベージェフだ。しかしどんなにエースが強くても、2番手が167位でダブルスの名手もいないようではグループラウンド突破も難しい。そんな冷めた予想を嘲笑うかのような、ここまでのロシアの勝ちっぷりである。
本来のメンバーだった世界ランク5位のアンドレイ・ルブレフ、18位のアスラン・カラツェフ、チームリーダー格の31歳エフゲニー・ドンスコイが、次々にコロナ感染のために出場を断念した。戦力の大幅ダウンにもかかわらず、フランス、オーストラリアと撃退して2連勝。立役者はメドベージェフではなく、無名のナンバー2、ロマン・サフィウリンだ。