チーム中田が初戦突破 師匠・中田功八段が2勝の大活躍「初めて佐藤君の役に立った」/将棋・ABEMA師弟トーナメント
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 「第1回ABEMA師弟トーナメント」予選Bリーグ1回戦・第1試合、チーム森下とチーム中田の対戦が1月15日に放送され、フルセットの末に、チーム中田がスコア3-2で初戦を制した。師匠・中田功八段(54)が2戦2勝と活躍すると、弟子の佐藤天彦九段(33)は個人2連敗で迎えた最終第5局で今大会初勝利。なかなかエンジンのかからなかった弟子に、師匠の連勝で点火するという、師弟タッグならではの勝利となった。

【動画】初戦を突破したチーム中田

 試合前から「お荷物にはなりたくない。もう(佐藤九段に)本当に頼みますっていう感じです」と語っていた中田八段だが、この試合に関しては完全に主役だった。開幕局を佐藤九段に任せたところ、過去に「ABEMAトーナメント」で何度も対戦してきた増田康宏六段(24)に敗れた。チームとしては、いきなりつまずく形になったが、ここで中田八段が奮起した。相手の森下卓九段(55)は、同じ福岡県出身の同世代ということもあり、子どものころから何十番、何百番と指してきた相手。過去の戦績では負け越しており、苦手意識をなんとか抑え込もうと、強い気持ちで盤に向かった。

 森下九段の先手番で始まった一局は、森下九段の居飛車に対し、中田八段は得意の三間飛車を採用し、対抗形の将棋に。森下九段が急戦調に出たところ、中田八段は指し手が進むごとに超早指しのテンポを掴み、序盤から見慣れない戦いの中でも駒組みを整えることに成功。相手の動きに対してうまく反応し、チャンスを確実に活かして勝利につなげた。「夢を見ている感じですね。40年間、勝てなかった方に。なぜ勝てたのかわからない」と振り返るように、弟子につなげようと一生懸命戦ったことが、勝利を呼び込んだ。

 続く第3局で、またも佐藤九段が増田六段に敗れ、チームとしてはカド番に追い込まれたが、第4局でも中田八段が冴えた。荒れた展開になったことを反省した森下九段が、今度はがっちりと囲いを整えると、中田八段も最初に3筋に振った飛車を5筋に振り直すなど応戦。ハイペースで指し進めたことで、形勢でも残り持ち時間でも優勢になった。これには解説を務めていた伊藤真吾六段(40)も、「今日の中田さん、冴え渡っていますね。フィッシャールールに向いている。第一感にいいところに手が行く」と称えるほど。終盤こそややもつれたが、なんとか逃げ切り「ちょっと驚いています」と言う、本人もびっくりの2連勝を果たした。

 大会で1勝できればと控えめなコメントをしていた師匠に、ここまでいい結果を出されてば、弟子もいつも以上に気合が入ろうというものだ。その立ち居振る舞いなどから「貴族」と呼ばれる佐藤九段だが、「なんとかしたいと思います」と連敗を喫した増田六段との決定局前に気を引き締めると、後手番から得意とする横歩取りに誘導し経験値の差を活かして序盤、中盤と進むに連れてリード。終盤は巻き返しを食らい「なかなか決め手を作ることができなかった」が、3連敗だけはできないと名人経験者の底力を振り絞り、なんとか逃げ切った。

チーム中田が初戦突破 師匠・中田功八段が2勝の大活躍「初めて佐藤君の役に立った」/将棋・ABEMA師弟トーナメント

 フィッシャールールの経験も豊富な弟子が師匠を支える展開かと思えたところ、チーム初戦は師匠の心意気が勝利を呼び込む結果に。中田八段は試合後「初めてちょっと佐藤君の役に立った気がします」と言えば、佐藤九段も「師匠に助けてもらったことが多かった。これを励みにして頑張りたいです」と、安堵の表情を浮かべた。ぎりぎりの戦いをくぐり抜けたチームほど、勢いづくのがトーナメント戦の常。チーム名「博多侍」、その刀の切れ味はこの戦いで格段に増した。

◆第1回ABEMA師弟トーナメント 日本将棋連盟会長・佐藤康光九段の着想から生まれた大会。8組の師弟が予選でA、Bの2リーグに分かれてトーナメントを実施。2勝すれば勝ち抜け、2敗すれば敗退の変則で、2連勝なら1位通過、2勝1敗が2位通過となり、本戦トーナメントに進出する。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで、チームの対戦は予選、本戦通じて全て3本先取の5本勝負で行われる。第4局までは、どちらか一方の棋士が3局目を指すことはできない。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

【動画】初戦を突破したチーム中田
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【動画】苦しみつつも決定局を制した佐藤天彦九段
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【動画】ノリノリで解説を務める伊藤真吾六段
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