将棋の叡王戦段位別予選(九段戦)が1月21日に行われ、南芳一九段(58)が木村一基九段(48)に133手で勝利した。南九段は午後2時から本戦出場をかけて藤井猛九段(51)と対戦する。
タイトル通算7期の実績を持つ南九段は、対局中にほとんど動かないことから「地蔵流」とも呼ばれるが、今期の叡王戦では初戦で井上慶太九段(58)、2戦目は小林健二九段(64)とベテラン対決を制して勝ち上がると、Bブロック準決勝となった本局では、昨年タイトル戦にも出場している木村九段に対し、先手番から三間飛車を採用。木村九段が居飛車・穴熊を選んだことで、対抗形の将棋になった。
中盤は木村九段がややリードしたかに見えたが、終盤に向けて進むごとに南九段が形勢挽回。受けに定評がある木村九段が最後まで粘ろうとするところを、1分将棋に入っても慌てず攻め、かつ守るべきところは守り、確実に勝利を収めた。この1月でプロ生活丸31年を迎えた南九段の勝利に、ファンからも「地蔵先生株爆上がり」「南さんすごいね」「地蔵流やぞ」と興奮気味のコメントが沸き起こっていた。
叡王戦は四段から九段までに分かれた段位別予選を行い、12人が通過。シード棋士4人を加えた16人で本戦を戦う。30人が参加する九段戦はAからCまでの3ブロックに分かれて行われ、それぞれ優勝者が本戦に出場する。前期から不二家が主催となり、対局時には栄養補給のためのお菓子ボックスが設置されている。現在のタイトル保持者は藤井聡太叡王(竜王、王位、棋聖、19)。
(ABEMA/将棋チャンネルより)