かつては敵視する者も多かったが、今は心強い味方。将棋界における将棋ソフト(AI)のことだ。「人間 対 AI」の構図に、ある種の決着がついてから5年足らず。今では若手からベテランまで、多くの棋士が将棋ソフトを活用した研究で棋力を高め、名局を生み出している。2月3日、藤井聡太竜王(王位、叡王、棋聖、19)が順位戦B級1組12回戦で快勝を収めた対局中、解説を務めていた千葉幸生七段(42)がふと口にした言葉は、棋士と将棋ソフトの関係性が大きく変わったことを示すものだった。