気持ちはわかるが、じれったい…。「第1回ABEMA師弟トーナメント」準決勝の第2試合、チーム深浦とチーム鈴木の対戦が2月26日に放送されたが、この第1局、第4局で東城したチーム鈴木・梶浦宏孝七段(26)が、盤面に集中するあまり、前傾姿勢が深くなりすぎて、天井カメラから盤面を隠してしまうというハプニングが起きた。
棋士にはいろいろな仕草があり、将棋盤に対しての姿勢もかなり特徴が出る。盤から離れて見たり、角度をつけて見たり。そして多いパターンが、盤面に覆いかぶさるように顔を近づけるケースだ。藤井聡太竜王(王位、叡王、王将、棋聖、19)も、今では少なくなったが、デビュー間もないころは盤面の一部が見えなくなるくらいに前に傾き、さらにゆらゆらと揺れていたことがあった。
真面目な正確の梶浦七段だが、盤面への集中が高まるにつれて、どうやら藤井竜王と同じように前傾が深くなるタイプのようだ。第1局、序盤からリードを奪って早々に優勢になったと見られていたが、中盤から終盤に向かうに連れて深浦康市九段(50)の粘りにあって、怪しい雲行きになった。するとピンチを悟ったように、梶浦七段の前傾姿勢がより深くなり、ついには自陣の2段目ぐらいまで頭頂部が出てきてしまい、天井についたカメラから盤面が見えなくなってしまった。
視聴者からも「カジーの頭は今日も元気にはみでている」「カジーこの頭はあかんでw」「隠さないでw」というコメントが寄せられると、対局を見守っていたチーム深浦・佐々木大地六段(26)も同じ思いだったようで、同い年の棋士に向かい、モニタ越しに「えー、カジー、とりあえず、あのー、2段目とか隠さないで。盤面が見えないよ、カジー」と親しみを込めて呼びかけていた。
◆第1回ABEMA師弟トーナメント 日本将棋連盟会長・佐藤康光九段の着想から生まれた大会。8組の師弟が予選でA、Bの2リーグに分かれてトーナメントを実施。2勝すれば勝ち抜け、2敗すれば敗退の変則で、2連勝なら1位通過、2勝1敗が2位通過となり、本戦トーナメントに進出する。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで、チームの対戦は予選、本戦通じて全て3本先取の5本勝負で行われる。第4局までは、どちらか一方の棋士が3局目を指すことはできない。
(ABEMA/将棋チャンネルより)