「かっこいい方もいれば、何の仕事してるんだろう?という方もいる(笑)」EXITと語る“テレビプロデューサー”論
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 2日、映画の出演者オーディションを装い、20代の女性にわいせつ行為をしたとして52歳の無職の男が逮捕された。犯行時、男が女性に信じ込ませるために名乗った職業が「プロデューサー」だった。

【映像】"謎の仕事"プロデューサーの正体に迫る!

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 メディア業界にいるイメージの強い「プロデューサー」だが、具体的にどんな仕事をしているのだろうか。テレビ番組の制作現場でいえば、立案・人事・予算などの責任を負うのがプロデューサーということになるが、テレビ朝日平石直之アナウンサーは「結局のところは世界観だ。それは合議制では作れないものだし、ディレクターはその求めに応じて、それぞれのコーナーを担当することになる。その意味では責任者だと言える」と話す。

 「だから新しい企画や番組を立ち上げるという場合ではなく、すでに出来上がっている番組、上手く続いている番組であれば、逆にあまり仕事はない。ただし私たちプレイヤーにとっては非常に大事な存在だ。どこまで行っても私たちは番組の中の“歯車”だし、こうしたい、こう思う、というものとは別に、自分では気づけていない可能性を引き出してくれるのが名プロデューサーだと思っている」。

■元TBSプロデューサー「軌道に乗ってくればこんな楽な仕事はない」

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 映像制作やYouTuberのプロデュースなどを手掛けるWADAI代表取締役の和田悟さんはTBS社員時代、ディレクターとして作成した番組企画書が上司の目に止まり、“自分でやる”と直訴した結果、当時最年少の28歳で番組プロデューサーに就任した。

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 「もちろん、大きな番組になれば作業量も多く、その分だけ予算も多いので、人を動かしたり、役割分担をしたり、ということが出てくるが、その時の番組は小規模だったので、全体に目配せするプロデューサーをやりながらディレクターも兼務するみたいな形になった。作業量としては多かったが、自分がやりたい仕事という感覚だった」と振り返る。
 
 「テレビマンになる方の場合、多くはものを作るディレクターに憧れて業界に入ってくると思うが、テレビ局に入社する人の大半は、やはりプロデューサーという肩書きに憧れて入ってくると思う。楽しい仕事だし、嬉しい肩書きだからだ。局のカラーにもよるが、自分でやりたいことができるプロデューサーもいれば、やれと言われたことをやる“ザ・サラリーマンタイプの”プロデューサーもいる。僕の場合もプロデューサーに憧れはあったが、コンプラや予算など、いろいろな制限を気にするのが仕事になってくるので、むしろそれと両立しようとすれば面白いものが作れないというジレンマもある。そういうこともあって、やりたかったのはディレクター側の仕事だった。

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 ただ、一度プロデューサーになると味を占める人も多く、軌道に乗ってくればこんな楽な仕事はないというか、もう飲みに行って、経費を精算して、みたいな(笑)。その一方で現場からも離れないということで、肩書きを付けていった結果、どんどん“プロデューサー”が増え、何人もいる番組が出てくることになるが、一応、それぞれに役割はあると思う。例えば“チーフプロデューサー”で言えば、過去にたくさんの番組を手掛けていた方が出世し、“班”のようなものを率いて複数の番組を統括しているみたいなイメージだ」。

■EXIT「“あなたのやりたいことを僕たちがやるんです”と言うようにしている」

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 EXITのりんたろー。は「僕も“カーディガン”のイメージがあったけど、業界に入ってみたら色んなタイプがいた。演出もできて、かっこいいプロデューサーもいれば、ただお金を回しているだけ、調子に乗っているだけのチャラいプロデューサーもいる。そして絶対的な権力があるのがPだと思っていたけれど、メチャクチャ舐められていて、D(ディレクター)の方がガンガンいくじゃんみたいな現場もある」と冗談交じりに明かし、「だから新しい番組が始まるとき、“EXITさんにかかってる”とか言うプロデューサーに対しては“大丈夫かな?と思ってしまう」と指摘。

 これを受けて、兼近大樹も「お金の管理をして下さったりと、プロデューサーの皆様のおかげで僕らの仕事が成り立っているので、ありがとうございます(笑)。でも、ホントたまーにですけど、この人なにしてるんだろう?というプロデューサーの方もいる(笑)。でも、“一緒にやるんです、なんなら、あなたのやりたいことを僕たちがやるんです”と言うようにしている」と話した。

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 2人の話を聞いたフリーアナウンサーの柴田阿弥も「よくわからないな、この人の仕事、っていう人がたまにいますよね」と苦笑。「チーフプロデューサー、エグゼクティブプロデューサー。ゼネラルプロデューサー、キャスティングプロデューサー、ラインプロデューサー。危機管理プロデューサーと肩書も様々ある」とコメントした。

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 リディラバ代表の安部敏樹氏は「テレビという、すでにできあがったビジネスモデルの中、例えば1クール、半年でこれくらいの数字が出せるような企画を作るためには最初の予算はこうだ、というものを考える。長期のビジネスモデルのところまでは手を出さないが、企画や人事、予算は扱うという意味では、企業に近いなと感じる」と指摘していた。(『ABEMA Prime』より)

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