ケージに入れられ、鳴き続ける小鳥たち。保護団体によって保護され、次の飼い主を待つ鳥たちだ。埼玉県で活動を行うNPO法人「小鳥レスキュー会」では、警察や地域住民と連携し、家庭で飼育することが困難になった鳥や、路上などに放置されていたり迷子になった鳥を保護し、新たな里親へと引き渡す活動を行っている。現在は、およそ40種類・700羽の小鳥を保護。近年、鳥の保護件数が増えつつあるという。
「これ(鳥の保護件数)はコロナ関係なしに年々増加傾向にあって」。
こう話すのは「小鳥レスキュー会」の代表理事を務める上中牧子さん。これまで20年以上に渡って保護活動を行ってきたという上中さんは、保護件数増加の背景にSNSでの”映え”を目的に、安易な気持ちで小鳥を購入する人が増えたことを挙げている。
「テレビとかSNSにのる子って、やっぱ可愛い子なので特別なんですよ。それを見て『あ、私も』っていうことで飼う。でも同じこと(映え)は起きないんですよ。だから『いらない』という人がこの10年で増えている」
ペットショップで販売される小鳥は安いもので3000円程度。イヌやネコに比べサイズも小さく、安い価格で購入できることから気軽に飼い始める人が多いという。しかし、その気軽さが仇となり、後々の飼育放棄につながってしまう。
また、意外と知られていないのが『鳥の寿命の長さ』だ。中には寿命が50年以上という種類の鳥も存在し、えさなどの飼育代に加え、治療などの医療費がかさむと、それが原因で手離す人もいると上中さんは指摘する。
「セキセイインコだと寿命が8年から15年ぐらい。ただ、中型になるとオカメインコで30年。オウムになると、50年から70年ぐらい生きます。鳥も人間と同じ病気にかかります。そうなった時の医療費、通院費を1日5000円から1万円払えるのか。(手術して)月に200万かけた人もいます」
現在も引き取りの依頼が絶えないという「小鳥レスキュー会」。保護する鳥たちの飼育費は月100万円を超えるという。中には高額な医療費がかかる鳥を手離し、新たな鳥を購入するという身勝手な飼い主の存在も。
数千円で購入できるとしても、命の重さに変わりはない。上中さんは「”覚悟”と”責任”を持って『最後まで面倒をみきれるのか』本当に考えて欲しい」と訴える。
「本来であれば、何かを飼養するときにしてあげられることって、お金か時間しかないはずなんですよね。飼うなら(どれだけの時間を一緒に過ごすのか)想像して考えないと。これは鳥だけじゃないと思う。『飼ったらうるさいかもしれない』。結婚して子どもができた時に『これ(世話)をみられるんだろうか』ということを想像しないと。それが責任。あとは調べることですよ。まだ起きていないこれからのこと、自分のライフスタイルも合わせて想定してほしい」
(『ABEMAヒルズ』より)
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