「現政権が一気に崩壊する姿を見てきた」「民衆が一斉に動く」専門家が指摘 “反プーチン”のカギを握る“ソ連崩壊”という市民の記憶
【映像】「傘で突いて毒殺」ロシア驚きの実態の数々
この記事の写真をみる(2枚)

 ロシアによるウクライナ侵攻が始まって2週間余りが経過し、今もなお各地で激しい戦闘が続いている。停戦合意のメドは立っておらず、ウクライナ国内では両国兵士はもちろん、老若男女問わず、一般市民の被害も増え続けている。

【映像】“反プーチン”のカギを握る市民の記憶

 この出口が見えない侵略行為に対して、ロシア政治が専門でソ連崩壊時にモスクワにいた筑波大学の中村逸郎教授が言及。「現政権が一気に崩壊する姿を見てきた。安定と動乱を交互に繰り返されているのがロシア・ソ連の歴史。侵攻戦争が結局、体制の崩壊を引き起こすという歴史を記憶している人がロシア国内にはたくさんいる」と指摘。「ロシア・ソ連の歴史を見てみると、どこかで我慢しきれなくなって民衆が一斉に動く時ってある」とも続け、“反プーチン”のカギを握るのは、ソ連崩壊という市民の記憶であると私見を述べた。

「現政権が一気に崩壊する姿を見てきた」「民衆が一斉に動く」専門家が指摘 “反プーチン”のカギを握る“ソ連崩壊”という市民の記憶
拡大する

 13日、ABEMAABEMA的ニュースショー』に出演した中村教授は、ロシア国内の様子について、これまでの歴史的背景を踏まえて解説。「ロシアの人たちは我慢して我慢して我慢して、見て見ぬふりをして…自分の生活だけで精一杯。ロシア・ソ連の歴史を見てみると、どこかで我慢しきれなくなって民衆が一斉に動く時ってある」と述べた。

 その根拠として中村教授は1991年8月に自身の目で見たソ連崩壊に触れ、その要因として1979年のアフガン侵攻に端を発した市民運動を挙げると「モスクワで市民が10万人、最大20万人集まって、皆が集結して、そのままクレムリンに突入していくんですよ。そうすると一気に体制は崩壊する。現政権が一気に崩壊する姿をモスクワで見てきた」と続けた。

 そのうえで「安定と動乱。安定と動乱を交互に繰り返されているのがロシア・ソ連の歴史。1991年のソ連崩壊の記憶を持っている人たちって、まだまだ生きている。1991年はアフガン侵攻の結果、政権が倒れている。今回のウクライナ侵攻によって現政権が倒される。非常に状況が似ている。侵攻戦争が結局、体制崩壊を引き起こすという歴史を記憶している人たちがロシア国内にたくさんいる」とも話し、“反プーチン”の世論が国内から起こり、ウクライナ侵攻に歯止めをかけることに期待を寄せた。

この記事の画像一覧
【映像】“反プーチン”のカギを握る市民の記憶
【映像】“反プーチン”のカギを握る市民の記憶
「傘で突かれ毒殺されたケースも」ロシア人YouTuber、反戦の恐怖と覚悟を激白
「傘で突かれ毒殺されたケースも」ロシア人YouTuber、反戦の恐怖と覚悟を激白
「すみません…」ウクライナ人女性が号泣、ロシア人女性も抑えきれず涙 「悲しい」

■Pick Up
「ABEMA NEWSチャンネル」がアジアで評価された理由
ネットニュース界で話題「ABEMA NEWSチャンネル」番組制作の裏側

この記事の写真をみる(2枚)