将棋の竜王戦1組、5位出場者決定戦の1回戦が3月18日に行われ、稲葉陽八段(33)が豊島将之九段(31)に195手で勝利した。稲葉八段はこの勝利で1組の残留以上が決まり、本戦出場あと2勝。敗れた豊島九段は前期まで竜王だったが、今期はランキング戦1回戦に続く連敗となり、2組へ降級することが決まった。
【中継】竜王戦1組 出場者決定戦 豊島将之九段 対 稲葉陽八段
稲葉八段の先手番から始まった一局は、相掛かりの出だしに。序盤から稲葉八段が両端の歩を突き捨てながら攻めの手がかりを作る研究手順を繰り出すと、これが見事にはまり早々にリード。豊島九段も序盤から持ち時間を多く使わされる展開にもなり、苦しい時間が続いた。
中盤以降も稲葉八段がペースを握り続けていたが、ここから豊島九段も前竜王の意地とばかりに必死の抵抗を続け、持ち時間を使い切り1分将棋に入ってからも80手近く粘り倒したが、逆転するまでには届かず投了となった。
稲葉八段は順位戦B級1組でも、勝てばA級復帰というしびれる最終戦に勝利すると、この竜王戦でも1組残留以上がかかる鬼勝負を制する勝負強さを見せた。一方、豊島九段は前期、藤井聡太竜王(王位、叡王、王将、棋聖、19)との七番勝負で4連敗し失冠をしていたが、今期はリベンジマッチへの舞台に向かう本戦出場を果たす前に、降級という厳しい結果を突きつけられることになった。
(ABEMA/将棋チャンネルより)