<大相撲三月場所>◇六日目◇18日◇大阪・エディオンアリーナ大阪
前頭九枚目・翔猿(追手風)と前頭八枚目・佐田の海(境川)の一番で、両者が揃って土俵下に落下。際どい勝負に物言いがついたが、行司軍配どおり、佐田の海が2勝目となる勝ち星を挙げた。土俵上、審判団との協議の際に行司は口を結び、眉間にしわを寄せるなど“困った”顔を浮かべたが、その後、行司軍配どおりのアナウンスが行われると、ファンからは「行司よく見てた」「すげーわ」と冷静な判断に対する称賛の声が寄せられた。
立ち合い翔猿が右に変化するも、佐田の海は踏みとどまり、突き押しの激しい攻防へ。佐田の海のはたき込みを食った翔猿の体が前のめりに沈んだが、持ちこたえた翔猿は右四つの体勢に。直後、佐田の海が左上手を取ると両者組み合ったまま揃って土俵下へと落下。歓声と驚きの声で館内は一時、騒然となった。
軍配は佐田の海に上がったものの、際どい結果に同体ではないかと物言いがついた。土俵上での協議は2分以上におよび、行司の木村元基は苦笑いにも見える難しい表情に。長い協議の結果、審判長を務めた元関脇・安芸乃島の高田川親方は「途中で翔猿の手がついており、行司軍配どおり佐田の海の勝ちといたします」と説明。佐田の海は2勝目を挙げ、敗れた翔猿は3敗目を喫した。
物言いがつくと、取組を中継したABEMAの実況席からは「(行司は)何とも言えない表情をしていますね」と一言。さらに解説を務めた元小結・臥牙丸は現役時代の経験を振り返りながら「もう本当に早く勝敗を教えて欲しくて、めっちゃドキドキします」と力士の胸中を代弁。「自分に上げてくれるとその親方がめちゃめちゃ好きになるんですよ(笑)」とユーモアを交えて本音も明かした。
一方、取組内容について「2人ともいい相撲でした」と両者の健闘を称えた臥牙丸は、「負けるのはみんな嫌だと思いますけど、いい相撲を取って負けると、相撲が取れなかった負け方とは全然気持ちが変わってきます」と続けた。
ともあれ、行司軍配どおりの勝敗結果がアナウンスされると、視聴者からは「行司よく見てた」「行司さんすげーわ」「わからんかった」といった声が相次いで寄せられた。(ABEMA『大相撲チャンネル』)