2022年シーズンの開幕投手を任されたエンゼルス大谷翔平投手。メジャー史上初となる開幕戦での「1番・投手」という起用、昨年は投手で9勝、打者で46本塁打という二刀流での大活躍もあり、超満員の地元ファンから早速「MVPコール」を浴びまくった。打者としては4打数無安打に終わったものの、投手としては4回2/3で80球を投げ4安打1失点9奪三振の好投。マウンドを降りる際には、負け投手になったとは思えないほどの歓声を浴びた。今年も世界中のファンの心を踊らせることになった大谷だが、相手打者を翻弄したのは、160キロを超えるストレートでも、150キロ近いスプリット、140キロ台のスライダー、130キロ弱のカーブだけでなく、160キロで「滑り動くストレート」だった。
1回、メジャー屈指の強打者であるアストロズの1番・アルトゥーベにカウント1-1から投じた3球目が、実に驚きだ。球速は時速99.2マイル(159.6キロ)。これだけ見れば渾身のストレートだろう。ところが真ん中低めに構えた捕手のミットを避けるように急激に外角へ曲がり、ボールゾーンへと逃げていった。いわゆる「引っ掛けた」ボールというには、あまりにも曲がりのキレが鋭い。カット気味でもあり「まっスラ」でもある。この滑るように動いたストレートは、アルトゥーベだけでなく他の打者にも投げ込まれ、思わず打者が戸惑うような仕草も見せた。
中継していたABEMAの解説を務めた川崎宗則氏は「大谷さんは引っ掛けることもある。ただ、今日は引っ掛けたまま投げた方がいい」と指摘した。無理に試合中に調整しようとすると、バランスを崩すからだ。確かにきれいな縦回転ではなく、微妙に回転軸のずれたストレートは、本来の球速を維持しながら、それでいて不規則に鋭く曲がる。これほど打者にとって厄介なボールはない。この試合では定評があるスプリットよりも、この滑り動くストレートや、スライダーといった横の変化が9奪三振の源にもなっていたのは間違いない。
大谷自身、まっすぐに縦に回転するストレートへのこだわりは、さほどないようだ。意図的に曲げている変化球だけでなく、160キロ前後のスピードを保ちながらランダムに動くストレートをさらに安定した武器とすれば、昨年の9勝を超える勝ち星を手にすることも難しくない。鍛え抜かれた肉体から鋭く放たれた速球が、どこでミットに収まるのか。ファンにとっても楽しみは増えるばかりだ。
(ABEMA『SPORTSチャンネル』)
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