若手棋士たちの燃える一局 他の棋士から絶賛集まる「こういう将棋が指したい」「いいもの見ました」/将棋・ABEMAトーナメント
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 勝っても負けても「あっぱれ」という将棋をみんなが目指していることがわかる一局だった。将棋界の早指し団体戦「第5回ABEMAトーナメント」の予選Aリーグ第2試合、チーム永瀬とチーム三浦の対戦が4月23日に放送された。この第2局で、チーム三浦・池永天志五段(29)がチーム永瀬・斎藤明日斗五段(23)に135手で勝利したが、最終盤までもつれる激しい内容に、周囲の棋士から「こういう将棋が指したい」「いいもの見ました」と絶賛の声が次々に寄せられた。

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 池永五段は通算勝率が6割5分前後という実力者で、若手棋戦の新人王戦、加古川青流戦でそれぞれ1回優勝している。このABEMAトーナメントでも、前回大会では木村一基九段(48)、佐々木勇気七段(27)のチームを組んで準決勝と結果を残した。一方の斎藤五段も、6割近い通算勝率でこれからまだまだ伸び盛り。この大会でも永瀬拓矢王座(29)から抜擢とも言える指名を受け、少しでもこの期間に成長しようと前向きに戦っている。

 第1局で斎藤五段が三浦弘行九段(48)を破り勢いをつけてから迎えた第2局。池永五段の先手で始まったが、横歩取りからスタートすると、序盤から中盤にかけて池永五段のペースに。それでも佐藤五段も必死に食い下がり、まだ池永五段が有利ながらもまるで油断できない最終盤に持ち込んだ。ここからは一瞬の気の緩みが敗着となる局面が続き、指し手次第では池永玉にトン死筋が発生するほど際どくなったが、試合後に池永五段は「将棋的には分の悪い展開。このルールはあまり細かいことを気にせずにやる方がいいと思った」と積極性を失わなかったことが勝利に近づくきっかけとなった。

 両者による熱戦は見守っていた両チームの棋士にとってもドキドキハラハラするスリリングな内容で、これを聞いていた三浦九段が「こういう将棋を指したいな。これなら文句を言われない」とつぶやくと、チームメイトの伊藤匠五段(19)が「いいもの見ました」と同調。また解説を務めていた佐藤慎一五段(39)も「かなり名局。解説していて汗かきました。スリリングな将棋」と絶賛していた。

◆第5回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名を漏れた棋士がトーナメントを実施、上位3人がチームとなり全15チームで戦う。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選リーグ、本戦トーナメント通じて5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
ABEMA/将棋チャンネルより)

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【動画】竹馬に苦戦する三浦弘行九段
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