将棋の醍醐味「詰むや詰まざるや」見守る仲間が一喜一憂で大騒ぎ「ああ!」「すごすぎる!」/将棋・ABEMAトーナメント
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 「将棋は逆転のゲーム」と言われるが、中でも形勢が大きくひっくり返るのが最終盤。詰みが生じているかどうか、非常に難解な局面で、これまで幾多の大逆転劇が生まれている。将棋界の早指し団体戦「第5回ABEMAトーナメント」の予選Aリーグ第3試合、チーム羽生とチーム三浦の対戦が4月30日に放送されたが、ここでも「詰むや詰まざるや」の激闘が続き、対局を見守る棋士やファンも大騒ぎになる一幕があった。

【動画】詰むや詰まざるやの激闘に控室では悲鳴も

 チーム羽生とチーム三浦の試合はフルセット、全9局行われ、スコア5-4でチーム三浦が勝利。辛くも本戦出場を決めたが、どの一局を取っても熱戦と呼べるもので、持ち時間5分・1手指すごとに5秒加算という超早指し戦ならではの逆転も数多く出現した。中でも極め付きだったのは、チーム羽生・中村太地七段(33)とチーム三浦・伊藤匠五段(19)の一局だった。

 中村七段の先手、相掛かりから始まった一局は、両者とも中住まいで戦い始める近年の流行形。途中まで先後同型で進むなど、研究が進む戦型の中でお互いの出方を見合うような立ち上がりだった。ただ、中盤に差し掛かるにつれて少しずつ伊藤五段がリードを奪い始め、終盤には勝勢に。さらに最終盤では残り時間もわずかながら、中村玉に詰みが生じる瞬間もあった。

 公式戦では最短でも1手30秒、多くが60秒は考えられるが、この大会は最終盤ともなれば、まさに数秒以内に次の手を指さなければいけない。普段なら難なく見つけられる詰み筋も見落とすことがあるから恐ろしい。伊藤五段は、この絶好機で別の手を選択してしまったことで、中村玉の詰みが消滅。ぎりぎりで逃げる手順が生まれることになった。

 伊藤五段にとっては痛恨、中村七段にとっては絶体絶命から逃れることになったこの一手の瞬間、チーム三浦の池永天志五段(29)が「うあ!」と声を出すと、リーダー三浦弘行九段(48)も顔をゆがめながら「ああ!ちょっと待って!」と、悲鳴のような声になった。一方、チーム羽生・羽生善治九段(51)は「あれ?今の▲7九角を打っていれば、詰みだったんじゃないですか」と、きょとんとした表情。ここから大逆転が起こり、中村七段が勝利を収めた。終局直後、改めてカメラに映った羽生九段は「すごい!すごすぎる!いやー、すごいなあ。他に表現がない」と、思わず自分の手をぎゅっと握る仕草まで飛び出していた。

◆第5回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名を漏れた棋士がトーナメントを実施、上位3人がチームとなり全15チームで戦う。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選リーグ、本戦トーナメント通じて5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

【動画】キョロキョロと振り向くコミカルな羽生善治九段
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