斎藤慎太郎八段、待望のシリーズ初勝利 渡辺明名人を劇的逆転で破る/将棋・名人戦七番勝負第3局
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 将棋の名人戦七番勝負第3局は5月7、8日、福岡県福岡市の「アゴ-ラ福岡 山の上ホテル&スパ」で行われ、挑戦者の斎藤慎太郎八段(29)が134手で渡辺明名人(棋王、38)を破って待望のシリーズ初勝利を飾った。互いに馬を作る激しい序中盤から、攻め合いの力強い将棋を展開。2日目の夕方まで渡辺名人が主導権を握っていたが、終盤の銀交換を契機に斎藤八段が攻めに転じて逆転に成功した。渡辺名人に開幕連勝を許したが、斎藤八段が初の名人獲得へ向けてここから巻き返しを狙う。

 【動画】第80期 名人戦七番勝負 第三局 2日目 渡辺明名人 対 斎藤慎太郎八段 

 渡辺名人の先手番で始まった第3局。戦型は「角換わり」となった。序盤からたっぷり考慮時間を使って指し進めた斎藤八段に対し、渡辺名人も封じ手に1時間49分を投入。1日目は形勢互角のまま終了した。

 明けて2日目、渡辺名人の封じ手は桂取りの歩成。その攻めの姿勢に斎藤八段も呼応した。しかし、斎藤八段は渡辺に深く成り込んだ馬の動きを封じられ、名人が躍動させた飛車に自陣を乱される。それでも粘りが持ち味の斎藤八段が辛抱を見せた。

 夕食休憩の時点で斎藤八段の持ち時間は49分に。渡辺名人に大きく時間差をつけられる中、終盤の銀交換を契機に攻めに転じた。耐え忍んだ時間を跳ね返すような一閃。名人が明らかに焦りの表情を見せ、中継していたABEMAの「SHOGI AI」の形勢数値も斎藤八段側へ。さらに、動けなくなっていた馬を救い出して追撃に加勢させた。渡辺名人の必死の抵抗を振り切り、第3局にして斎藤八段が待望のシリーズ1勝目を手にした。

ドラマチックな一局を制した斎藤八段だったが、「序盤からどういう構想で指していいかわからず、ずっと苦しい将棋になってしまった」と疲れをにじませた。11日後に迎える第4局に向けて「本局を反省して、次に活かせるようにと思っています」とコメントした。一方、黒星を喫した渡辺名人は「手将棋で難しい将棋で、封じ手のあたりも悩ましかった。終盤、方針が決まらない中でやってしまったのが悔いが残る。また来週切り替えていきたいと思います」と話した。

 第4局は5月19、20日の両日、山口県山口市の「山水園」で行われる。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

【動画】第80期名人戦七番勝負第三局 1日目 渡辺明名人対斎藤慎太郎八段
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【動画】名人戦七番勝負 第二局 2日目 渡辺明名人 対 斎藤慎太郎八段
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