将棋の深浦康市九段(50)が立会人を務めたタイトル戦で緊迫の一夜を過ごしたことを明かした。渡辺明名人(棋王、38)が斎藤慎太郎八段に勝利した名人戦七番勝負第5局でABEMAの中継に深浦九段が出演。自身が立会人を務めた第3局では、対局者の封じ手を保管する重責にあたり、よもや「スパイ」の襲撃に備えていたという。立会人・深浦九段の予想外の行動に、視聴者も「さすが地球代表w」「立会人VSスパイとか熱すぎるw」と爆笑した様子だった。
大切な封じ手を一夜預かる。これはタイトル戦の立会人の一大任務のひとつといっても過言ではない。今期の名人戦七番勝負の決着局となった第5局で、深浦九段がABEMAの中継に出演。解説とともに、立会人の仕事内容についても紹介した。立会人は円滑な対局運営や対局者のケア、取材対応と様々な任務を一手に引き受ける重要任務。よって、タイトル戦経験者や経験豊富なベテラン棋士が担うことが一般的とされている。王位期3など数々のタイトル戦を経験しているトップ棋士の深浦九段は、今期の名人戦第3局で立会人を任された。対局1日目、差し掛けの時間を迎えると、渡辺名人の封じ手は深浦九段の元へ。通常、封じ手は2通作成され、1通は関係者宿泊先の金庫、もう1通を立会人の手元で保管されている。この日の夜も、大切な封じ手を預かっているとあり早めに自室に戻って過ごしていたという。
深浦九段の目に留まったのは、たまたまテレビ放送していたスパイ映画。見入っているうちに、ふと深浦九段の頭をよぎったのは「スパイが封じ手を狙ってきたらどうしよう…」という一抹の不安。不運なことに自室の金庫は不調。封じ手を手元で保管せざるを得ず、緊張感は高まるばかりだった。「思わず、押し入れとか部屋の扉を全部開けて布団もめくって、トム・クルーズがいないか確認しちゃいました」と告白した。これには聞き手を務めた飯野愛女流初段(35)も大爆笑。「いいネタをありがとうございます!頭の中にテーマ曲が流れてきちゃいました」と笑いが止まらない様子だった。
しかし、そこは棋力とともに責任感も棋界トップクラスの深浦九段。「でも、もしスパイが来たら戦うしかないよね。立会人だもん」とサラリ。視聴者からは「深浦先生カッコイイ!」「重要ミッションですね」「襲撃に備える姿おもしろすぎ」と様々なコメントが多数寄せられていた。
(ABEMA/将棋チャンネルより)