MLB識者も「手足が出るのは久しぶり」大谷翔平も巻き込まれた8人退場、ド迫力の乱闘劇はなぜ起きた
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【MLB】エンゼルス2-1マリナーズ(6月26日・日本時間27日/アナハイム)

 エンゼルスの大谷翔平投手が「3番・DH」で先発出場した試合で、両軍で計8人が退場となる大乱闘が起きた。2回、エンゼルス先発のワンツが、先頭のマリナーズ・ウインカーの臀部あたりに死球を当てたことがトリガーとなり、両軍の選手、スタッフがベンチ、ブルペンから総出の大ゲンカ。あちこちで殴り合い、蹴り合い、取っ組み合いの騒動に、球場も騒然となった。MLB識者も「手足が出るのは久しぶり」と驚いたド迫力の乱闘劇はなぜ起きたのか。

【動画】両軍8選手が退場となった大乱闘劇、大谷翔平も“参戦”

 乱闘が始まったのは2回だが、伏線はあった。まず前日の試合で、エンゼルスの主砲トラウトが、頭部をかすめるような危険なボールを投げ込まれ、打席内で倒れる場面があった。その場では乱闘には発展しなかったが、昨季のけがから復活し、今季はOPSでメジャートップ、ホームラン数でもメジャー2位の22本塁打と大活躍中で、特にマリナーズ戦ではめっぽう強く、最も多くマリナーズからホームランを打っている選手になっていた。MVPを3度も獲得し、球団だけでなくMLB全体にとっても至宝と言われるトラウトだけに、危険なボールでけがをさせられてはたまらない。本拠地のエンゼルスファンからも大きなブーイングが飛んだ。

 やられたらやり返す。スポーツマンシップを考えれば褒められたものではないが、MLBの世界には、この精神は今もある。この日の試合で1回、エンゼルス先発のワンツが、マリナーズ・ロドリゲスに対して、背中を通すような危険なボールを投げ込んだ。これが前日の報復なのか、それとも単なる投げ損ないか定かではないが、1球によって球場は騒然。エンゼルス・ネヴィン監督代行、マリナーズ・サービス監督、双方から声が飛び、審判団もすぐさま警告試合を宣告した。このまま収まり、スムーズに試合が進めばよかったが、ことはそう簡単には進まず、2回の先頭打者だったウインカーが死球を受けると、サービス監督からはすぐさまワンツに向けて「退場だ!」というような声を飛ばした。さらにウインカーは、エンゼルスベンチからの声に反応すると激怒。右手首を手術し、ギプスをはめていたレンドンに向かって突進すると、ここから両軍入り乱れての大乱闘に発展した。大谷も乱闘に参加し相手選手らを抱きかかえ、さらに大谷を守ろうと通訳の水原一平氏が体を張るシーンもあったが、計8人の退場者を出してようやく試合が落ち着いた。

 ABEMAの中継で解説を務めていたAKI猪瀬氏も「手足が出る乱闘は久しぶり。メジャーの乱闘ですね」と驚くほどだったが、確かにMLBでもここまでの大乱闘は珍しくなっている。いざ始まればベンチ、ブルペンにいた選手、スタッフも駆けつけるのがお決まりになっているが、もみ合いまで静まるケースも多い。前日からの伏線、さらにチームに蓄積されていたフラストレーションが、一気に噴出したような格好だ。乱闘が終わったころにはサービス監督もユニフォーム姿がぐちゃぐちゃになり、その激しさを物語ることになったが、何はともあれ大谷をはじめ各選手に大きなけががなかったのは、ファンとしてもホッとしたところだろう。
(ABEMA『SPORTSチャンネル』)

【動画】大谷翔平も参加、殴り合い・蹴り合いの大乱闘
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