将棋のお~いお茶杯王位戦七番勝負の第3局が7月20、21日に神戸市北区の有馬温泉の旅館「中の坊瑞苑」で行われる。シリーズ1勝1敗で迎える第3局だが、検分が行われた19日に誕生日を迎えた藤井聡太王位(竜王、叡王、王将、棋聖、20)は、本局が20歳での初対局。挑戦者の豊島将之九段(32)と深い事前研究をぶつけ合う対局が続く中「研究や準備をしつつ、それだけに偏りすぎないようにという意識で」と意気込みを語った。
18日にはヒューリック杯棋聖戦五番勝負の第4局で永瀬拓矢王座(29)を下し、10代最後の対局で快勝。棋聖3連覇、タイトル戦では9回出場で全てタイトル獲得という強さを見せた藤井王位。今回のシリーズでは後手番だった第1局で豊島九段の研究の前に早くから形勢を損ね、そのまま巻き返せずに完敗した。続く第2局は逆に新たな構想によって1日目からリードを奪い、2日目以降も危なげなく指し進めての快勝を収めた。
昨期も数多く対局した強敵・豊島九段との第3局を前に藤井王位は「第1局では豊島九段の研究の深さを見せられる展開になって、ちょっと対応できなかったところがあったので、今回はまた同じ後手番で迎えるので、しっかり修正できればと思っています」とコメント。研究がぶつかりあうことについては「展開を想定して臨むところはあるんですが、外れた後にしっかり対応できるかどうかが、それ以上に大事」と、力勝負になってからの展開を重視した。
挑戦者の豊島九段も事前研究について触れつつも、お互いの地力が試される中終盤についてコメントし「一手のミスも許されないような戦いになる。力戦の将棋だとちょっとずつ互いに疑問手を指しつつも、どうまとめるかという形になりがちですけど、そういう意味では中身の濃い将棋にできれば」と、息詰まる名局を作る意気込みだった。
持ち時間は各8時間で、先手は豊島九段。
(写真提供/日本将棋連盟)